文科省は17日、教育行政について現場の声を集めるべく、誰もが意見を書き込み、議論が行うことができるサイト「熟議カケアイ」(じゅくぎりょくケアイ)を開設したと発表しました。
Webサイト「熟議カケアイ」を新設、教員の資質向上策の政策検討スタート
~中央教育審議会との両輪で教育政策形成を行う新基軸~
(文部科学省 2010年4月17日)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/04/1292818.htm
熟議カケアイ(文科省政策創造エンジン)
http://jukugi.mext.go.jp/
この 「熟議カケアイ」は、教育に関わるあらゆる当事者(教職員、教育政策関係者、保護者、学校支援ボランティア等) が学びあいながら、責任を持った議論を積み重ねて、政策形成の「見える化」として政府が取り組む国内初の試みです。
議論の進め方は、まず政務三役より、Webサイトの掲示板に政策課題についてのテーマ(5月21日までは「教員の資質向上」「未来の学校」)が示され、これに対し、参加者が各々のご意見を投稿、さらにその意見に対し、参加者間で議論を行うというものです。
はじめての方へ(熟議力ケアイ)
http://jukugi.mext.go.jp/beginner/
先進的な自治体で既に行われている、まちづくりなどをWEB上で議論する「市民会議」の初の中央省庁版といえます。
文科省では、大学教授や学校長ら専門家が中心の中央教育審議会(中教審)の議論だけではなく、この「熟議」に基づいたご意見を参酌して、政策形成につなげていくということなので注目ですね。
今回、文科省のこの取り組みを紹介したのは、厚労省でも同様のことができないのかと思ったからです。
医療についても、教育と同様、多種多様の価値観や意見、また現場の実情があるにもかかわらず、一部の団体や当事者、専門家だけの意見だけで政策が決められている感が否めません。一応、意見反映の場として、パブコメも行われてはいますが、形だけのものになっていないでしょうか。
「ネット・郵便での医薬品販売」「未承認医薬品の使用のあり方」「代替医療や伝統医学の活用」「医療従事者の役割分担」「公共の場での禁煙」など、医療政策でも国民の生活や健康にかかわる課題が多くあります。厚労省でも、こういった形で意見を集約すべきではないかと思います。熟議力ケアアイのトップページの「教育」を「医療」に置きかえるとそんな気がしてなりません。
このサイトでも、鹿児島県鹿屋市での救急搬送に関する熟議事例が紹介されています。
熟議_鹿児島県鹿屋市での救急搬送に関する熟議事例
http://jukugi.mext.go.jp/library_view?library_id=8
なお、この「熟議力ケアイ」には教職員、教育政策関係者、保護者だけではなく、事前に氏名や住所などを登録しておけば、年齢や国籍を問わず誰でも参加(ネット掲載時は匿名可能)が可能で、閲覧は誰でも見ることができるので、是非皆さんも訪問してみて下さい。
参考:
文科省が教育討論サイト開設 「熟議」通じて政策づくり
(47NEWS 4月17日 共同通信配信)
http://www.47news.jp/CN/201004/CN2010041701000601.html
内政・外交・安保 文科省が「熟議カケアイ」開設
(毎日新聞 4月17日)
http://mainichi.jp/life/edu/news/20100418ddm002010102000c.html
読売新聞4月18日
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100418-OYT1T00314.htm
2010年04月18日 14:35 投稿