無菌室の共同利用が可能となるよう薬事法施行規則の改正が行われ、8月23日付けの官報で省令が公布されました。インターネット版官報(http://kanpou.npb.go.jp/)の本誌第5869号(1ページ)で閲覧できます。
官報に従えば、これまでの薬事法施行規則(→リンク)に下線部の文言が追加となるようです。
(薬局における調剤)
第十五条の九
薬局開設者は、その薬局で調剤に従事する薬剤師でない者に販売又は授与の目的で調剤させてはならない
ただし、高度な無菌製剤処理を行うことができる作業室(以下「無菌調剤室」という。)を有する薬局の薬局開設者が、無菌調剤室を有しない薬局の薬局開設者から依頼を受けて、当該無菌調剤室を有しない薬局で調剤に従事する薬剤師に、当該無菌調剤室を利用した無菌製剤処理を行わせるときは、この限りでない。
2 前項ただし書きの場合においては、当該無菌調剤室を有しない薬局の薬局開設者は、当該無菌調剤室を有しない薬局で調剤に従事する薬剤師の行う無菌製剤処理の業務に係る適正な管理を確保するため、事前に、当該無菌調剤室を有する薬局の薬局開設者の協力を得て、指針の策定、当該薬剤師に対する研修の実施その他必要な措置を講じなければならない。
第十五条の十二
薬局開設者は、調剤の求めがあつた場合には、正当な理由がなければ、その薬局で調剤に従事する薬剤師にその薬局で調剤させなければならない、
無菌調剤室の共同利用については、昨年行われたパブリックコメント(TOPICS 2011.12.26)で、今年4月から薬剤師法施行規則(→リンク)の第十三条の三を改正し対応するとされていましたが、確認したところまだ薬剤師法施行規則の方はまだ改正されておらず、またこのパブリックコメントの結果も出ていないようです。(近く改正省令が公布なのかなあ?) 今回の省令の公布に合わせて公表されたパブリックコメント(TOPICS 2011.12.26)の結果によれば、無菌調剤室の共同利用を可能とするため、薬剤師法施行規則ではなく、薬事法施行規則を改正することにしたそうです。
「薬剤師法施行規則等の一部を改正する省令案について」に関する意見募集の結果について
(命令等の公布日・決定日 / 結果の公示日 2012年08月22日)
ですので、今回の薬事法施行規則の改正が無菌調剤室の共同利用に対応した初めての法改正実施かもしれません。(もし間違っていたらご指摘下さい)
パブコメには、総数で68件の意見が寄せられ、今回省令で指針の作成や研修の実施が求められたのは、「処方箋受付薬局の薬剤師による、無菌製剤処理の安全性をどうやって担保するのか」といった意見が寄せれたためのようです。(結局、共同利用ができるのは、大手チェーンか会営薬局が整備されているところになってしまうのでは)
関連情報:TOPICS
2011.12.26 無菌室の共同利用に関するパブコメ
8月22日 21:50更新
2012年08月22日 12:20 投稿
夕方になってパブコメの結果が公表されました。
無菌調剤室の共同利用を可能とするため、薬剤師法施行規則ではなく、薬事法施行規則を改正することにしたそうです。(元記事も更新しました)