イチョウ葉エキスのアルツハイマーの予防効果について、改めて効果は認められないとする研究結果がThe Lancet Neurology 誌のオンライン版で明らかになっています。
Long-term use of standardised ginkgo biloba extract for the prevention of Alzheimer’s disease (GuidAge): a randomised placebo-controlled trial
（The Lancet Neurology Online First 6 Sep 2012）
http://www.thelancet.com/journals/laneur/article/PIIS1474-4422(12)70206-5/abstract
この研究は、記憶に問題があると自己申告した2800人を2群に分けて、介入群にはイチョウ葉抽出物エキスを服用してもらい5年間追跡調査をしたフランスの研究ですが、今回の結果でもアルツハイマーになる割合は有意差がなかったそうです。（死亡や発作、出血や心血管イベントなどの有害事象の差もなかった）
同様の研究結果は今回で3回目であり、研究者の間からは、（有効性についての）議論を終えるべきだという声も挙がっているそうです。（Healthday より）
ただ一方で、有効性を示唆する報告もあり、日本ではまだまだ認知症への有効性をアピールするサイト・ブログの方が一般的です。
また、厚労省などの公的機関のWEB情報では、さまざまな研究結果を提示はしていますが、こういった海外研究を踏まえた見解はまだ示されていません、
イチョウ葉エキスの有効性および安全性
（厚労省HP 保険機能食品関連情報）（結構古いようですが、いつ掲載されたんだろう？）
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/hokenkinou/4e-1.html
イチョウ（「健康食品」の素材情報データベース）
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail116.html
イチョウ葉エキスの有効性と安全性
（DHC Dr.ブログ 2011.12.13）
http://www.dhcblog.com/kamohara/archive/2032
出血傾向の有害事象に気を付ける必要はありますが、イチョウ葉エキスの認知症への有用性（特に予防効果）については、そろそろ公的機関ももう少し踏み込んだ見解を出してもいいのではないかと思います。
関連情報・TOPICS
2009.12.30 イチョウ葉エキスに認知機能の低下を遅らせる効果は見出せず
2008.11.09 高齢者の認知症予防にイチョウ葉エキスは有用でない(米国研究)
参考：
Ginkgo Won’t Prevent Alzheimer’s, Study Finds
（Health Day 2012.09.05）
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=668378
Forget About Ginkgo to Ward Off Alzheimer’s
（Medpage TODAY 2012.09.05 要会員登録）
http://www.medpagetoday.com/Neurology/AlzheimersDisease/34591
Taking ginkgo to beat Alzheimer’s is a ‘waste of time as it does not improve the memory’
（Mail Online 2012.09.06）
http://www.dailymail.co.uk/health/article-2199004/Taking-ginkgo-beat-Alzheimer-s-waste-time-does-improve-memory.html
2012年09月06日 10:55 投稿
