厚労省は27日、DPP-4阻害剤について、SU剤との併用で重篤な低血糖症状があらわれ、意識消失を来す例も報告されているとして、SU剤と併用する場合には、SU剤の減量の検討を求める添付文書の変更を指示しました。
使用上の注意改訂情報(平成22年4月27日指示分)(PMDAウェブサイト)
厚労省によれば、シタグリプチンリン酸塩水和物(ジャヌビア・グラクティブ)について、グリメピリド併用時5.3%で、ピオグリタゾン併用時0.8%で、メトホルミン併用時0.7%で低血糖が現れているそうです。
このため、厚労省では、シタグリプチンリン酸塩水和物について、
[慎重投与]の項の「他の糖尿病薬を投与中の患者」の記載を
「他の糖尿病用薬(特に、スルホニルウレア剤)を投与中の患者」
と改め、[重要な基本的注意]の項の低血糖症状に関する記載を
「本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること。特に、スルホニルウレア剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加する。スルホニルウレア剤による低血糖のリスクを軽減するため、スルホニルウレア剤と併用する場合には、スルホニルウレア剤の減量を検討すること。」と改め、
[副作用]の「重大な副作用」の項の低血糖症に関する記載を
「低血糖症:
他の糖尿病用薬との併用で低血糖症(グリメピリド併用時5.3%、ピオグリタゾン併用時0.8%、メトホルミン併用時0.7%)があらわれることがある。特に、スルホニルウレア剤との併用で重篤な低血糖症状があらわれ、意識消失を来す例も報告されていることから、スルホニルウレア剤と併用する場合には、スルホニルウレア剤の減量を検討すること。また、他の糖尿病用薬を併用しない場合でも低血糖症(1.0%)が報告されている。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。」と改めることを指示しています。
また、他のDPP-4阻害剤(アログリプチン安息香酸塩:ネシーナ錠、ビルダグリプチン:エクア錠)とリラグルチド(ビクトーザ)についても、同様の記載を追記するよう指示しています。
関連情報:TOPICS 2010.04.14 シタグリプチンの追加投与時はSU剤の減量が必要
2010年04月29日 12:37 投稿