米FDAは8日、シプロフロキサシン(シプロキサン)、レボフロキサシン(クラビット)などのニューキノロン系抗菌薬について、腱炎(tendinitis)・腱断裂(tendon rupture)の副作用を黒枠警告として表示することを求めると共に、メーカーに対し患者向けの医薬品説明書である“medication guide”を作成するよう指示を行いました。
FDA Requests Boxed Warnings on Fluoroquinolone Antimicrobial Drugs
Seeks to Strengthen Warnings Concerning Increased Risk of Tendinitis and Tendon Rupture
(FDA NEWS 2008.7.8)
http://www.fda.gov/bbs/topics/NEWS/2008/NEW01858.html
Fluoroquinolone Antimicrobial Drugs (Information for Healthcare Professionals)
http://www.fda.gov/cder/drug/InfoSheets/HCP/fluoroquinolonesHCP.htm
ニューキノロン系抗菌剤の腱炎リスクについては、既に米国医薬品監視団体のパブリック・シチズンやイリノイ州政府からリスク表示を強化するよう求められており、FDAではこの間調査をすすめていました。
FDAによれば、腱炎リスクは60歳以上の高齢者や腎臓などの臓器移植者、ステロイド療法を併用している患者に多いとしており、医師は患者に対し、腱の痛みや腫れ、炎症をなどの症状を感じたときには服用止めると共に、運動を避けることを説明するよう求めています。
今回の改訂指示は、全身的作用のある内服・注射薬に対し行われますが、点眼薬や点耳薬などの外用薬は除外されます。
今回の指示は、昨年法律でFDAに与えられた安全対策についての新権限適用第1号で、FDAとメーカーとの意見調整後に発表されたもののようです。
これからは、服用後の激しい運動を避けることや、スポーツ選手への慎重使用などが求められるでしょう。
関連情報:TOPICS 2006.08.30 ニューキノロン系抗菌剤と腱障害
参考:FDA Wants Boxed Warning about Tendon Problems with Fluoroquinolones
(Health-System Pharmacy News 2008.7.8)
http://www.ashp.org/s_ashp/article_news.asp?CID=167&DID=2024&id=26381
FDA calls for urgent warning on tendon risks(AP2008.7.8)
http://ap.google.com/article/ALeqM5jiAFqt5up2oWz6CvO-ai67XTXFKwD91PTK581
FDA Strengthens Fluoroquinolone Tendon Warnings
(Medpage TODAY 2008.7.8)
http://www.medpagetoday.com/ProductAlert/Prescriptions/tb/10043
RISFAX Headline 7月10日
7月9日 10:20掲載 10日 10:00更新
2008年07月09日 10:20 投稿