OTCとして供給される緊急避妊薬(英国)

 英国では、緊急避妊薬(MAP、morning-after pill)は16歳以上であれば薬局で購入することができますが、このほどその利用状況が報告されました。

 それによれば、MAPのover-the-counterによる購入がこの一年で27%から50%の約2倍となる一方、家族計画クリニック(family palannning clinic)からの入手は全体の20%で横ばい、また16-49歳の女性でのMAP利用率も全体の7%で、その割合は以前と変わっていないとのことです。

 英国王立薬剤師会では、MAPの供給に関する手引きの改訂版を2004年9月に作成、「薬剤師は可能な限り、一般的な避妊法、病気の予防、相談機関についての情報を患者に提供すべきである」としています。BBCの取材に対し、英国王立薬剤師会関係者は「我々は近く、安全なセックスの重要性や性感染症のついて記した多くのリーフレットを薬局を通じて配布する。」との談話を発表、Ask About Medicines Week 2005(11.7〜11)に合わせて、”Ask about sexual health”というリーフレットを公開しています。

英国 Ask About Medicines Week 2005(11.7〜11)
http://www.askaboutmedicines.org/Homepage/Previous_AAM_Weeks/AAMW_2005/default.aspx About Sexual Health Leaflets
http://www.askaboutmedicines.org/Homepage/Previous_AAM_Weeks/AAMW_2005/
Materials/Sexual_Health_Leaflets/default.aspx

リーフレットは下記ページよりダウンロードできます[PDF1.32MB]
http://www.askaboutmedicines.org/GetAsset.ashx?AssetId=14099 

 第80回アポネット研究会の質疑応答でもMAPの話が出ましたが、隅田先生は「避妊に関する教育が十分でないことや性感染症の拡大を恐れて、産婦人科医の間でも日本でMAPをどうするかについては、見解が分かれている」と答え、日本では処方薬としてですら日本で承認・認知されることはまだまだ先のようです。しかし、英国薬剤師会の活動を見る限り、近い将来私たちも何らかの形で、正しい避妊や性感染症に関する知識の普及活動を行う時がくるのかもしれません。

 関連情報:TOPICS 2005.07.04 緊急避妊薬の調剤拒否にゆれる米国薬剤師

 参考:EHC purchase from pharmacies doubles in past year
     (PJ Online 2005.10.29 news)
      http://www.pharmj.com/Editorial/20051105/news/p567ehc.html
    More women buy morning-after pill(BBC NEWS 2005.10.28)
      http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/4385524.stm
    Supply of emergency hormonal contraception as a pharmacy medicine
     (Practice guidance, updated September 2004)
      http://www.rpsgb.org/pdfs/ehcguid.pdf    


2005年11月03日 23:00 投稿

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