デキストロメトルファン(DXM)含有OTC咳止め薬による濫用が後を絶たない米国ですが、FDAは5日、DXM濫用による潜在的リスクとベネフィットについての検討を行う諮問委員会(Drug Safety and Risk Management Advisory Committee Meeting)を9月14日に開催すると発表しています。
September 14, 2010: Drug Safety and Risk Management Advisory Committee Meeting Announcement
http://www.fda.gov/AdvisoryCommittees/Calendar/ucm211003.htm
今回の諮問委員会は、思春期の若者の間に広がるDXM濫用増加に対し、DXMの科学的、医療上における評価、医薬品の分類の妥当性などについての検討を求める薬物取締局からの要請を受けて行われるもので、早い時期の開催告知を考えると、一般からの情報提供を考慮したものではないかと考えます。
最近の調査でも高校生の6%が過去1年間にDXMを濫用したことがあると答えた他、33%の高校生がDXMを濫用知っている人を知っていると答えるなど、気分を高める目的でDXMを通常量の25~50倍の量を一気飲みすることが若者の間に広がっており、危機感を抱く学校看護師(school nurse)の団体はOTC医薬品の業界団体とキャンペーン“Home to Homeroom”を最近開始しているほどです。
Leading Makers of OTC Medicines Join with the National Association of School Nurses in New Effort to Prevent Teen Medicine Abuse
(Consumer Healthcare Products Association 2010.4.13)
http://www.chpa-info.org/04_13_10_Home2Homeroom.aspx
Home to Homeroom:An educational program that teams parents with school nurses to prevent and address teen cough medicine abuse
(The National Association of School Nurses)
http://www.nasn.org/Default.aspx?tabid=506
Welcome to the Home to Homeroom Digest
http://www.stopmedicineabuse.org/home-to-homeroom
DXMは、規制対象(2歳未満は使用禁止、業界は4歳未満禁止の自主規制ラベル実施)となっている小児用風邪薬・咳止め成分の一つであり、濫用によるリスクが大きいとの判断が今回の諮問委員会で示されれば、プソイドエフェドリン並の厳重な販売管理や処方せん医薬品への分類変更などの勧告がされる可能性もあります。
関連情報:TOPICS
2010.02.05 デキストロメトルファン濫用で小学校がパニック(タイ・バンコク)
2006.12.06 急増するデキストロメトルファンの濫用(米国)(最近の話題旧サイト)
2010年05月09日 10:42 投稿