オーストラリアの公的医薬品規制機関のTGAは、1日発表した”Australian Adverse Drug Reactions Bulletin “で、ビタミンB6の過剰摂取は、神経障害、とりわけ末梢性ニューロパチー(eripheral neuropathy)起こす可能性があるとして、注意を呼びかけています。
High-dose vitamin B6 may cause peripheral neuropathy
(Australian Adverse Drug Reactions Bulletin Volume 27, Number 4, August 2008)
https://www.tga.gov.au/publication-issue/australian-adverse-drug-reactions-bulletin-vol-27-no-4#a2
日本語訳概要は食品安全性情報Blogに掲載されています。
オーストラリア薬物有害反応速報(2008年8月1日)
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20080801#p1
今回の注意喚起は、補完医薬品評価委員会(the Complementary Medicines Evaluation Committee)が今年4月にTGAに対し行った、「1日の摂取量が50〜200mgのビタミンB6(ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン)を含む製品について、「警告:使用中に、ひりひりとした感覚や、熱い感覚、麻痺感(tingling, burning or numbness)を覚えたときは、すぐに医師にみてもらいないさい」という警告文をラベル表示に加えるべき」とした勧告を受けたもので、患者がこういった症状を訴えた場合は、ビタミンB6の摂取の有無を確認するとともに、患者に対し、ビタミンB6の過剰摂取によるリスクをアドバイスするべきとしています。
CMEC 66 COMPLEMENTARY MEDICINES EVALUATION COMMITTEE(2008.4.18)
https://www.tga.gov.au/sites/default/files/cmec-minutes-66.pdf
http://www.tga.health.gov.au/docs/pdf/cmec/cmecmi66.pdf
水溶性ビタミンというと、過剰摂取しても体外に排出されるというイメージがありますが、そうではないようです。
Toxicology of Micronutrients: Adverse Effects and Uncertainty
(J. Nutr. 136:493S-501S, February 2006)
http://jn.nutrition.org/cgi/content/full/136/2/493S
日本でも、ピリドキシン塩酸塩製剤の副作用の項目に「大量・長期投与により手足のしびれ、知覚異常等の末梢神経障害」と記載はありますが、常用的に総合ビタミン剤やサプリメントを摂取している人も十分注意する必要がありそうです。
2008年08月05日 01:32 投稿