スティーブンス・ジョンソン症候群(19日 クロ現)

 ご覧になった方もいるかと思いますが、19日放送のNHKクローズアップ現代で市販薬によるスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)の副作用が取り上げられています。

身近な薬の落とし穴 警告!「市販薬」の意外な副作用
(クローズアップ現代 2011.11.19 放送)(リンクすみません)
 http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3275.html
 http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3275_all.html
 (再放送はありませんが、上記のテキストと動画で内容はまるごとわかります)

 今年に入ってこのテーマがNHKの情報番組で取り上げられるのは、私の記憶では今回で3回目です。

身近な薬の重い副作用
(あさイチ 2012.06.15放送)
 http://www.nhk.or.jp/asaichi/2012/06/15/01.html

“サプリ”と”くすり”
(Eテレ オトナへのトビラTV 2012.10.11放送)
 http://www.nhk.or.jp/otona/p2012/121011.html

 番組では、市販の解熱鎮痛剤を飲んだ女性が副作用によってスティーブンス・ジョンソン症候群を発症したケースが出てきますが、診断が適切にされず、対応が遅れたことが紹介され、早い対応の必要性が強調されています。

 また、番組では、副作用を発症した人たちから血液の提供を受け、遺伝子を解析したところ副作用を発症しやすい体質があることが分かってきたことも紹介しています。

HLA-A*0206 with TLR3 polymorphisms exerts more than additive effects in Stevens-Johnson syndrome with severe ocular surface complications.
PLoS One. 2012;7(8):e43650. Epub 2012 Aug 17.)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3422242/

HLA Genotype and Carbamazepine-Induced Cutaneous Adverse Drug Reactions: A Systematic Review.
(Clin Pharmacol Ther. 2012 Dec;92(6):757-65. Epub 2012 Nov 7.)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23132554

重症薬疹(スティーブンス・ジョンソン症候群及び中毒性表皮壊死症)のゲノム薬理学
(臨床薬理 40(2) p57S-58S 2009)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscpt/40/2/40_2_57S/_article/-char/ja/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscpt/40/2/40_2_57S/_pdf

 また、「重篤副作用疾患別対応マニュアル」(→Keywords)を活用して、なるべく早い専門家への相談につなげることも呼びかけています。

スティーブンス・ジョンソン症候群:全文(PDF:1,061KB)
  ・ 患者の皆様へ (PDF:138KB)
  ・ 医療関係者の皆様へ (PDF:999KB)

 番組で慶応大の望月教授は、患者さんがインターネットのサイトで自分の経験談を広めていくという活動が日本でも必要とのコメントをされています。

 視聴率13.2%で、ツイッターでも結構話題になっていましたが、「SJSは市販薬に限ったことではない」というコメントには私たちも留意する必要があります。

関連記事:
薬剤性肺障害 サプリで起こることも
(琉球新報 2012.11.20)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-199446-storytopic-186.html

関連サイト:
 健康被害救済制度(PMDA)
 http://www.pmda.go.jp/kenkouhigai.html
 「誰よりも知ってほしい。伝えてほしい。医薬品副作用被害救済制度
 http://www.pmda.go.jp/kenkouhigai/file/higaikyusai.pdf

 SJS患者会HP http://www.sjs-group.org/

関連情報:TOPICS
 2012.04.26 重篤な皮膚障害の報告が多い医薬品
 2012.03.26 オンラインによる患者副作用報告の試行事業が開始
 2009.10.25 生活者からの副作用自発報告システムは日本でも必要(国内研究)
 2009.01.10 患者副作用直接報告は、医療専門職からの報告を補完する
 2008.02.19 イエローカードオンライン副作用報告システムが本稼動(英国)


2012年11月20日 16:08 投稿

コメントが1つあります

  1. アポネット 小嶋

    11日夕方のテレビ東京系のニュース番組で取り上げています。(動画あり)

    薬に潜む意外な”危険” ~薬とどう付き合う?~
    (テレビ東京 NEWSアンサー 2012.12.11放送)
    http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/newsanswer/lives/post_31799

    患者さんの生の声をとりあげていて、NHKの放送よりもリアルです。

    遺伝子検査なども紹介しています。(すでにある薬局ではやっている)