11月25日、第22回医薬品販売制度改正検討部会が行われ、改正の理念と基本的方向性などが記された報告書(案)が提示された。
資料:医薬品販売制度改正検討部会報告書(案)(厚労省12月2日掲載)
第22回医薬品販売制度改正検討部会資料(11月29日WAM NET掲載)
1.改正の理念
- 国民の健康意識の高まりを始め、一般用医薬品を取り巻く環境の変化を踏まえ、セルフメディケーションを支援する観点が必要
- 安全性の確保を前提しつつ、購入者の利便性にも配慮し、一般用医薬品の適切な選択、適正な使用に資する制度にする
- 適切な相談応需及びリスクの程度に応じた情報提供が行われる仕組みを構築すべき
2.改正の基本的方向
- 一般用医薬品をリスクの高い医薬品(Aグループ医薬品)、比較的リスクの高い医薬品(Bグループ医薬品)、比較的リスクの低い医薬品(Cグループ医薬品)の3グループに分類し、販売に際しては、対面販売を原則とし、リスクの程度に応じた情報提供及び相談応需(相談があった場合の情報提供)が必要
- Aグループ医薬品は、薬剤師による文書を用いた積極的な情報提供及び相談応需を義務付け、安全性を確保する
- Bグループ医薬品は、専門家による積極的な情報提供及び相談応需を義務付け、安全性を確保する
- Cグループ医薬品は、専門家による相談応需(義務)を中心とした体制を整備する
- 販売に従事する薬剤師以外の専門家については、各業態を通じて資質確認のための仕組み(都道府県試験)を設けることが必要
- 試験内容については、販売という行為やその実体に即したもの(例えば、薬事関連法規、副作用の内容等)とすることが必要
- 新しい専門家の身分法の制定や名称独占の付与までは必要ない
- 医薬品のリスクの程度に応じたラベル表示、陳列方法のルール作り、店舗での表示など、購入者の視点に立って、医薬品販売に関わる環境を整備すべき
- Aグループ医薬品は、オーバー・ザ・カウンターを義務付けるべきではないか
- Bグループ医薬品は、オーバー・ザ・カウンターとするよう努めるべきではないか
- Bグループ医薬品のうち、*マークが付された成分(リストはこちらをクリック)を含む医薬品については、積極的な情報を行う機会をより確保する観点から、オーバー・ザ・カウンター(又はこれに近いもの)となるよう特段の配慮を行うべきではないか
- 新たな業態(店舗販売業)を創設し、薬局以外の医薬品販売業は「店舗販売業」及び「配置販売業」の2業態に再編
- 販売従事者として、一定の資質を備えたものが設置されていることを確認する仕組みが確認されれば、B・Cグループの医薬品についての販売が可能な業態(店舗販売業)として認める
(即ちこれは、店舗ごとに試験に合格した専門家が配置されていれば、大部分の一般用医薬品はどんな店舗でも販売が可能ということを意味する) - 情報通信技術(テレビ電話、インターネット等)は一定の範囲での活用を認める
- Aグループ医薬品は、対面販売とすべきであり、情報通信技術を活用した販売は認められない
- Bグループ医薬品は、対面販売を原則とすべきであるが、購入者の利便性に配慮すると、深夜早朝に限り、一定の条件の下で、テレビ電話を活用して販売することについては、引き続き認めることも検討する余地がある
- Cグループ医薬品は、電話での相談窓口を設置する等の一定の要件の下で通信販売を行うことについては、容認せざるを得ない
3.今後取り組むべき課題
- 医薬品の性質、特に副作用による被害が生じるリスクを有するものであることについて、これまでの歴史も踏まえ、教育やマスコミを通じて普及啓発を図ることが必要
- 添付文書や外箱表示をよりわかりやすいものとすることを含め、製造業者からの情報提供をより充実させることが必要
- 相当以前に承認したものの、時代に合わなくなってきている医薬品について、再評価を進めることが必要
2005年11月29日 22:00 投稿