イブプロフェンの50年

  前記事との関連記事というわけではありませんが、医学雑誌の最新号をチェックしていたら、出てきた International Journal of Clinical Practice 誌の特集号です。(しかもオープンアクセス)

Special issue : 50 Years of ibpurofen
Int J Clin Pract Jan 2013 publish online 19 Nov 2012)
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/ijcp.2012.67.issue-s178/issuetoc

 OTCとしても広く使われているイブプロフェンは、1956年から研究が進められた抗炎症・解熱鎮痛作用のある物質の中から選ばれ、1961年の抗炎症作用が発見、1962年には特許を取得し、1969年に英国でリウマチの治療薬として処方せん医薬品として販売が開始されました。

 1983年には英国で初めてのスイッチOTCとして販売が開始、1984年には米国でもスイッチが行われています。

 また、1995年には英国で一部がGSL(一般販売品=薬局以外での販売が可能)となった他、2001年にポーランド、2003年には豪州とニュージーランドでも一部がGSL扱いとなり、一般の生活者にとっても簡単に入手できる医薬品として、セルフメディケーションの手段として広く使われています。

Fifty years since the discovery of ibuprofen
Inflammopharmacology. 2011 Dec;19(6):293-7.)
http://link.springer.com/article/10.1007/s10787-011-0103-7/fulltext.html
(今回の特集号で引用されているもの。2011年が50周年として書かれた論説。イブプロフェンに関する歴史が詳しく記されています。これもオープンアクセス)

 この特集号では、こういった歴史の他、薬理作用、OTCとしての有用性、頭痛や子どもの発熱や痛みへのマネジメント、消化管への影響などのレビューがあり、ちょっとした資料価値があります。

 最後のレビュー記事で気になったのが、痛みに対しては18歳未満でも自分で鎮痛剤を買って対応することがあると記されている点です。

 日本でも高校でくすり教育が行われますが、鎮痛剤については具体例として日本でも詳しく学ぶ必要があるのではないかと思いました。


2012年12月09日 00:02 投稿

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