エパデールOTCが正式承認、審査報告書も公開

　エパデールOTCが28日正式承認され、承認に関する審査報告書もPMDAに掲載されています。審査報告書では、これまで明らかにされなかった、一般用医薬品としてどのように使用されるか、また販売時に薬剤師がどう関与すべきかが示されています。 （コピペすると怒られるかなあ）

新たに承認された第一類医薬品
（一般用医薬品販売制度ホームページ）
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/ippanyou/newdaiichirui.html

エパデールT、エパアルテ・審査報告書
（PMDA　一般用医薬品承認審査情報）
http://www.info.pmda.go.jp/ippan/O201200010/790005000_22400APX00613000_Q100_1.pdf

参考：エパデールTの添付文書案
（日刊薬業行政資料）
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/release/pdf/1226585918847#page=62

1.服用対象者が「健康診断等で、境界領域の中性脂肪値の改善となった理由

　ガイドライン等で150mg/dL 未満が管理目標とされている一方、特定保健指導における受診勧奨やガイドライン等で医師等による積極的な治療が必要とされているのが300mg/dL を上限となっているため。

2.薬剤を用いる前に行うべきこと

　ガイドライン等に従い、「生活習慣の改善に取り組んでいる人のための医薬品である」ことを添付文書や情報提供資料に明確に記載し、また、販売時には薬剤師より生活習慣の改善（食事、運動、禁煙）の必要性を説明することとし、その旨理解された場合にのみ本剤を販売する。

3.本剤の販売における薬剤師の役割

①使用者の全体的な健康状態の把握を行う
　使用者の全体的な健康状態の把握が可能となるよう、購入時に「セルフチェックシート」を用いる。シートには、　他の医薬品や本成分を含有する健康食品等の使用の有無、副作用（継続服用時）等を確認する項目の他、生活習慣の改善への取り組み等を確認する項目も設ける。

　また、販売店向け情報提供資料には、使用の対象外などに該当するかどうかを確認するチェック項目設け、これに添って、本剤の使用対象者として妥当かどうか、総合的に判断するための手順を明確化する。

②受診勧奨の判断
　副作用が現れた場合や、中性脂肪値が服用開始時から10%以上悪化した場合は受診勧告をする。

③薬剤師向けの研修
　ホームページ等を利用した情報提供も行い、必要に応じて迅速に情報を入手できる体制を構築する。

4.使用開始後3 カ月時点での血液検査はどうするか（添付文書案では3～6か月後になっている）

　医療用医薬品での臨床試験結果及び市販後調査結果から、使用開始後3 カ月以降に効果が安定しているとして、服用開始から3 カ月程度を目安に血液検査を行うことを推奨した。

　検査の機会や手段として、勤務先の定期健康診断や特定健診、任意で行う人間ドック、自己採血キットなどが考えられることを販売店向け資料に記載する。（自己採血キット等が店舗にあるといいということになる。ケアプロとコラボしてもいいかも）

5.適正使用のための市販直後の調査の実施

　市販直後に300例程度を対象に以下を主な項目とした調査を実施し、その結果により情報提供資料やチェックシート等の全般的な見直しを図る（これがおそらく言われている試験販売なのだと思う）

• 適格な服用対象者を選択しているか
• 生活習慣に対する助言を行なっているか
• 検査実施時期及び重要性を説明し、服用者は血液検査を実施したか
• 1 カ月毎の販売の際に安全性の確認を行なっているか
• 適切な受診勧奨を行なっているか
• その他販売に際して問題点はなかったか

　詳しい資料の公開はもう少し先になりそうですが、大枠がこれでわかりましたね。

　ところで、黒線で消されているもう一つの効能・効果は何だったんでしょうね？

関連情報：TOPICS
　2012.12.28　スイッチOTCについてオープンな議論を求める要望書
　2012.12.19　エパデールOTC正式承認へ、新たに検討会設置も(Update)
　2012.11.21　生活習慣病分野におけるスイッチOTCのあり方に見解（日医）
　2012.11.01　エパデール問題、スイッチへの意義とプロセスの共通認識が必要
　2012.10.22　エパデールスイッチへの期待と不安

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2012年12月28日 16:53 投稿