６日ロンドンで、医師やNHSのマネージャー、当局や製薬メーカーの代表などが参加したMHRA（英国医薬品医療用製品規制庁）主催の女性保健に焦点を当てたセミナー”Widening access to medicines ? focus on women’s health”が行われ、“OTC避妊薬〜緊急避妊から経口避妊へ：Contraception over the counter: moving from emergency contraception to oral contraception”という提案が行われています。
MHRA begins to consider OTC availability of contraceptive pill
（PJ Online News 2007.2.10）
http://www.pharmj.com/Editorial/20070210/news/p153contraceptivepill.html
英国各紙は５日、この会議に先立って、MHRAが、ピルのOTC化を検討していることをいっせいに伝えています。
各紙は、医師からの慎重な声を伝える一方、「記録が共有されなければならない」「もし薬剤師が販売することになった場合には、高血圧や血栓症の既往歴を把握すべきだ」などの前向きな声も取り上げるなど、英国のＧＰへのアクセスの悪さを相まって、今回のMHRAの提案に対しては好意的です。
英国では６年前より緊急避妊薬が薬局で処方せんなしに販売が行われており、また昨年にはクラミジア感染対策として検査キットをドラッグストアなどで試験配布が行われるなど、薬剤師による若者の性感染症予防や女性保健への取り組みが積極的に行われています。
ついにここまで来たかの感がありますが、今回の動きはそれらの活動の実績に基づいた動きとみることもでき、英国王立薬剤師会の地道な取り組みが評価されたのでしょう。
PJ誌によれば、全国薬局協会の関係者も、「我々は、緊急避妊薬が必要かどうかといったデリケートな問題を取り扱うことについての実績を持っている。この提案は、患者一人一人のニーズに応えるという薬剤師の目標に向けての当然の役割拡大（natural progression）と見ることができる。」とコメント、またPJ誌も論説で、「実現には何ヶ月、あるいは何年もかかるかもしれないが、どのようにかかわっていくかを今から考えておくべきである。」と訴えています。
すぐにスイッチされるという話ではないようですが、もし、実現されれば新しい薬剤師の活動として世界から大きな注目を集めることは間違いありません。今後の動向に注目したいと思います。
関連情報：TOPICS
2005.11.23 薬局でクラミジア検査キットを無料配布（英国）
2005.11.03 OTCとして供給される緊急避妊薬（英国）
参考：Give women the choice（PJ Online 2007.2.10）
http://www.pharmj.com/Editorial/20070210/comment/leading.html
Over-the-counter pill plan debate（BBC MEWS 2006.2.5）
http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/6331065.stm
Medicines regulator in talks to make pill available over counter
（The Guardian 2006.2.5）
http://society.guardian.co.uk/health/news/0,,2005988,00.html
Doctors’ fears over plan to sell the Pill over the counter
（Daily mail 2006.2.5）
http://www.dailymail.co.uk/pages/live/articles/health/
healthmain.html?in_article_id=433998&in_page_id=1774
The Pill and HRT could be sold over the counter
（telegraph 2006.2.6）
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2007/02/06/npill06.xml
2月6日2:00掲載 10日12:50更新
2007年02月06日 02:00 投稿
