コードネーム Pangea VI(国際刑事警察機構)(Update)

 Interpol(国際刑事警察機構:ICPO)(http://www.interpol.int/en)は27日、オンラインでの違法医薬品・偽造医薬品(illegal and counterfeit medicines)購入による健康リスクの認識を高めるため、6月18日から27日まで、などの機関と協力した集中取締“Pangea VI”(オペレーション・パンゲア)を行ったことを明らかにしました。

International operation targets online sale of illicit medicines
(Interpol media release 2013.06.27)
http://www.interpol.int/en/News-and-media/News-media-releases/2013/PR077 

 この集中取締はPangea VIが示すように今回で6回目で、99の国と地域で一斉に行われましたが、例年秋に行われる取り組みがこの時期に行われたことで、おそらく不意打ちになったのではないかと思われます。

Operation Pangea(INTERPOL)
http://www.interpol.int/en/Crime-areas/Pharmaceutical-crime/Operations/Operation-Pangea

 集中取締は、World Customs Organization(WCO:世界税関機構)、Permanent Forum of International Pharmaceutical Crime、Visa, Mastercardなどのカード会社、Legitscript などの協力を得て、違法なオンライン薬局とのつながりがあったり、大量のスパムメール送るなどしていた9,000のウェブサイトを確認、サイトの閉鎖や支払いの停止が命じられたそうです。

 また、違法な製造や偽造医薬品や未承認の薬を販売したとして175か所が調査の対象となっているそうです。

 さらに、規制機関や税関などによって調査をうけた522,000パッケージ中、58,000パッケージ(抗がん剤、抗生物質、やせ薬、抗うつ薬、勃起不全薬など)が違法または偽造医薬品として押収され世界で79人が逮捕または事情聴取されているようです。

  一方、一昨年からこの取り組みに参加するようになった日本でも、6都府県警により、インターネットを使った医薬品の無許可販売や無承認医薬品の広告の集中摘発が行われ、薬事法違反などの疑いで6人が逮捕、1人を書類送検し、計21か所の家宅捜査では医薬品計2877点が押収されたそうです。(大阪府警では、まつ毛を染める際に使う麻酔薬14本も押収)

 さらに警察庁は、未承認の医薬品を広告していた29のウェブサイトについて、国内のプロバイダーなどの管理者に対して削除を要請、海外で管理されていた132のサイトについては、外国の捜査機関に情報を提供したとのことです。

ネットで医薬品を無許可販売 6都府県警、7人摘発
(47NEWS 共同通信 2013.06.27)
 http://www.47news.jp/CN/201306/CN2013062701001430.html

違法薬品の世界一斉取り締まり 日本国内で6人逮捕
(ANN NEWs 2013.06.28)
 http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000007852.html

 各国規制機関も今年の取り組み状況を公表しています。(日本の厚労省や警察庁は正式発表が全くないんだよな。)

FDA takes action to protect consumers from dangerous medicines sold by illegal online pharmacies
(FDA NEWS Release 2013.06.27)
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm358794.htm

 米国では、潜在的に危険か未承認の処方薬を販売する9,600のサイトを摘発し、41,104,386ドルの相当の違法医薬品が没収された。

 MHRA nets UK record £12.2 million haul of counterfeit and unlicensed medicines
(MHRA Press Release 2013.06.27)
http://www.mhra.gov.uk/NewsCentre/Pressreleases/CON287024

 英国では、52.5万ポンド(7,875万円)相当の偽造医薬品97,500個を含む、1,220万ポンド(18億3千万円)相当の偽造医薬品370万個が押収され、1,288のウェブサイトの閉鎖を命じた。

 やせ薬、脱毛薬、勃起不全薬の他、筋肉増強剤や中絶薬も含まれた。

Opération PANGEA VI – Lutte contre les réseaux de vente illicite de médicaments sur internet – Communiqué
(ANSM 2013.06.27)
http://ansm.sante.fr/S-informer/Actualite/Operation-PANGEA-VI-Lutte-contre-les-reseaux-de-vente-illicite-de-medicaments-sur-internet-Communique

 フランスでは812,349個が押収、119の違法サイトを確認した。押収薬には勃起不全薬やアナボリックステロイドなどが含まれた。

(各国の規制当局からこのあとアナウンスがあると思います。掲載されたものから随時追加します)

 ちなみにInterpoleでは、去年行われた Pangea V の様子を動画にまとめています。

関連サイト:
Permanent Forum on International Pharmaceutical Crime
 http://pfipc.org/
Legitscript
 http://www.legitscript.com/

関連情報:TOPICS
 2012.10.05 コードネーム Pangea V(国際刑事警察機構)
 2011.09.29 コードネーム Pangea IV(国際刑事警察機構)
 2010.10.15 コードネーム Pangea III(国際刑事警察機構)
 2009.11.20 コードネーム Pangea II(国際刑事警察機構)
 2013.05.12 日本をターゲットにする不正オンライン薬局ネットワーク
 2013.02.15 偽造医薬品問題や品質確保はグローバルな課題(IOM)
 2010.02.14 日本における個人輸入の実態とネット販売規制の国際的動向

6月28日 10:45更新


2013年06月28日 01:04 投稿

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