研究開発費・学術研究助成費などの公表が始まる(Update)

 新薬開発と実用化には、研究開発費や適正使用の普及などに多くの費用がかかります。そしてこれに伴い、製薬企業と大学等の研究機関・医療機関等と連携協力した研究、製造販売後の情報提供・収集活動、安全対策などのさまざまな活動が行われますが、その中には対価としての金銭の支払いが発生することがあります。

 そこで、日本製薬工業協会(製薬協)ではこれら金額など公表のあり方をまとめた「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」を策定し、各製薬企業に対し、このGLに沿った指針の策定と、指針に沿った情報の公表を求めていましたが、このほど一部製薬会社での情報公表が始まっています。

「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」の策定のページ(製薬協)
http://www.jpma.or.jp/about/basis/tomeisei/

全国紙に掲載された広告
http://www.jpma.or.jp/about/basis/tomeisei/pdf/130801_01.pdf
http://www.jpma.or.jp/about/basis/tomeisei/pdf/130801_02.pdf

 公表されているのは研究開発費、学術研究助成費、原稿執筆料、情報提供関連費(講演会費・説明会費等)などで、一部は個別の支払額も示されています。

 現時点で具体的支払額の公表が確認できた企業は下記など数社ですが、決算発表後に公表するとする企業もあります。いずれもデータは転載不可、保存不可などの措置が取られているので、入口となるページのアドレスのみ示します(リンクなしです)

アストラゼネカ株式会社「社外関係者とのかかわり」
 http://www.astrazeneca.co.jp/responsibility/safety

エーザイ株式会社「情報公開」(2013.08.13追記)
 http://www.eisai.co.jp/social/disclosure/index.html

武田薬品「企業活動と医療機関等の関係の透明性に関する指針」
 http://www.takeda.co.jp/csr/policies/article_47824.html

中外製薬:医療機関等、医療関係者等への支払い(2013.08.13追記)
 http://www.chugai-pharm.co.jp/hc/ss/csr/management/disclosure.html

ノバルテイスファーマ株式会社:医療機関・医療関係者等への資金提供等の情報
 http://transparency.novartis.co.jp/jxw/agreement.html

バイエル薬品株式会社:企業活動と医療機関等の関係の透明性に関する方針
 http://byl.bayer.co.jp/scripts/pages/jp/transparency.php

ファイザー株式会社:企業活動と医療機関等の関係の透明性への取り組み
 http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/transparency_relationship/

ヤンセンファーマ株式会社:2012年度 医療機関等に対する支払い(2013.08.13追記)
 http://www.janssen.co.jp/public/toumeisei

 当初は、医師などに支払った原稿料、講演料などの謝礼金額の開示も予定されていたのですが、反発が少なくなかったことから、これらの個別金額の公表については来年からになります。

関連記事:
製薬会社が「医者のカネ」公開へ医師からは反発も
(Dot 2013.07.30 週刊朝日2013.08.02記事)
http://dot.asahi.com/wa/2013072600033.html
原稿料、講演料などの謝礼金額開示に反発
情報公開を先送りにした医師会の反撃
(週刊ダイヤモンド 2013.04.01)
http://diamond.jp/articles/-/34001

2013.08.13 11:15更新 


2013年08月03日 12:28 投稿

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