合成着色料と食品へのリスク表示の義務づけ(EU)

 TOPICS 2008.4.11 の記事で、英国食品基準庁(FSA:Food Standards Agency)が6つの合成着色料について、子どもの多動性(hyperactive behaviour)と関連性があるとして、ヨーロッパ規模の禁止の勧告を求めたことを紹介しましたが、EUでは7月20日からこれらの着色料を含むものについて、リスク表示の義務づけが始まっています。

 既に記事は目に留まっていましたが、微妙なテーマなので記事にするかどうか迷っていましたが、本サイトへのリンク記事が出たので紹介することにしました。

Compulsory warnings on colours in food and drink
(Food Standards Agency 2010.7.22)
http://www.food.gov.uk/news/newsarchive/2010/jul/eucolourswarn

食品及び飲料用着色料に関する義務的な警告表示
(化学物質問題市民研究会 海外環境情報 2010.8.3)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/UK/FSA/FSA_100722_colours.html

 上記の翻訳にある通り、Tartrazine (E102:食用黄色4号)、 Ponceau 4 R (E124:食用赤色102号)Sunset Yellow (E110:食用黄色5号)、Carmoisine (E122:日本では未許可)、Quinoline yellow (E104:日本では未許可)、Allura Red (E129:食用赤色40号)の6つを含む食品・飲料(1.2%以上のアルコールを含む飲料を除く)を製造する場合は、7月20日から、“may have effects on activity and attention in children”というリスク表示が必要になったそうです。

 この日の前後のニュース記事を検索したのですが、実は英国サイトなどではこの実施についてはほとんど記事になっていません。どうやらほとんどの食品でこれらの着色料不使用の商品への転換が完了しているため、影響はほとんどないからのようです。(確かに、こんなリスク表示があったら確かに買いたくないよな)

 EU以外では、現在こういった規制はありませんが、ニュース記事を見ると豪州/NZや北米などでも、何らかの規制の動きがあるかもしれないなどの記事が散見されるので、近い将来同様の動きがあるかもしれません。

 着色料というと、食品以外にも医薬品にも含まれます。医薬品への規制について調べたのですが、情報が見つからなかったのでおそらく対象外だと思われます。

 着色料は、食品をおいしくみせるために必要なものであり、科学的根拠の基に適切な規制を行うべきとは思いますが、こういった海外における規制(リスク表示)が始まっているという事実について、日本ではほとんど伝えられないのは、やはり影響が大きいからなのでしょうか。

関連情報:TOPICS
  2008.04.11 合成着色料、欧州規模の禁止が必要(英国)
  2007.09.07 食品添加物と子どもの多動性

関連ブログ:ADHDと食品添加物(ADHDって何だろう 2010.5.4)
  http://ameblo.jp/whatisadhd/entry-10525016492.html

参考:
When It Comes to Synthetic Food Colors: Beware the ‘Southampton Six’
(FoodProcessing.com 2010.7.6)
http://www.foodprocessing.com/articles/2010/colorants.html


2010年08月09日 01:35 投稿

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