独立行政法人国民生活センターは18日、国内外で販売されている電子たばこについて、カートリッジ中にニコチンが含まれていないかどうかの調査結果をまとめ。公表しています。
電子タバコの安全性を考える
(国民生活センター2010年8月18日公表)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20100818_1.html
全国的な禁煙・分煙の意識の高まりや、2010年10月からのたばこ税の増税の影響等から、近年電子たばこが注目を集めていますが、同センターには「電子たばこを購入し使用してみたが、4~5 日経過すると常習性を感じるようになった」「吸っているうちに喉が炎症を起こしたような状態になった」「すったところ父も自分も気分が悪くなり、頭重、めまいを感じた。」などの健康被害を含む相談が309件寄せられていて、特に近年その相談件数が急増しているそうです。
そこで、同センターでは国内で販売されている25銘柄(12品目が店頭購入品、13品目がネット購入品)45種類の味と、個人輸入品2銘柄2種類の味の液体カートリッジについて、ニコチンが含まれていないかどうかをガスクロマトグラフ-質量分析計を用いてスクリーニングを行い、ニコチンが検出されたものについては、ニコチン量についても算出しています。
その結果、国内で販売されている25銘柄中、11銘柄15味でニコチンが検出されたそうです。
一方、ニコチンが検出された結果にもかかわらず電子たばこを販売する事業者は、同センターからのアンケート調査に対し、「ニコチンは含有していない」との回答をしています。(そもそも一部の事業者は、自社でその安全性を検証していない)
報告書全文 http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20100818_1.pdf
電子たばこは、コンビニや書店でも「ニコチンは含まれていません」と書かれた商品をしばしば目にします(しかも誰にでも手にできるところに陳列されていること自体疑問)が、米FDAの調査結果(TOPICS 2009.07.23)を知っているので、「本当にニコチンフリー?」と思っていましたが、一部にはやはり表示に偽りがあったようですね。
国民生活センターがこういった形で商品調査を行ってくれたことで、実態が明らかになったようなものですが、未認可の医療機器とも言えなくはないので、厚労省も米FDAでの発表を受けて積極的に調査して欲しかったですね。
一応、厚労省も同センターの発表にあわせて注意喚起を行っていますが、私たちもたばこの代わりにもし電子たばこを使用している人がいたら、注意を呼びかける必要がありますね。
ニコチンを含む電子タバコへの注意を呼び掛け 都道府県には販売業者などへの監視指導の徹底を依頼
(厚労省 2010年8月18日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000lv0j.html
ニコチンが含まれる電子タバコがあります。使用にはご注意ください!
(厚労省 2010年8月18日)
http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/08/tp0819-2.html
関連情報:TOPICS
2009.07.23 電子たばこには有害物質が含まれる(米FDA)
2008.09.22 電子たばこは有効なニコチン置換療法として検証されていない(WHO)
8月19日 リンク追加
2010年08月18日 17:56 投稿