2019年4月に添付文書は新様式に(意見募集中)(Update)

 医療用医薬品添付文書の記載要領については、1997年4月発出の「医療用医薬品添付文書の記載要領について」「医療用医薬品の使用上の注意記載要領について」の通知により現在運用されていますが、医療の進歩や高齢化、IT技術の進歩など、医療を取り巻く状況は大きく変化、厚労省は、厚生労働科学研究での提言及びその後の議論を踏まえ、医療用医薬品添付文書の記載要領についての見直しを決め、今回意見募集を開始しています。

医療用医薬品添付文書の記載要領改訂案に係る意見の募集について
(案の公示日2016年05月31日 意見・情報受付締切日2016年07月15日)
 
 主な改正内容は以下の通りです

(1) 項目の通し番号の設定

  •  「警告」以降の全ての項目に番号を付与、記載すべき内容がない項目は欠番と
    する
  •  「使用上の注意」に該当する項目は項目番号で定義する
  •  「効能又は効果に関連する使用上の注意」及び「用法及び用量に関連する使用
    上の注意」 を項目及び項目番号に含める

(2)「原則禁忌」の廃止
「原則禁忌」は廃止し、「禁忌」又はその他の適切な項へ記載するとする

(3)「慎重投与」の廃止
「慎重投与」は廃止し、「特定の患者集団への投与」など、その他の適切な項へ記載する

(4) 「特定の患者集団への投与」の新設
「高齢者への投与」、「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」、「小児等への投与」を廃止し、「特定の患者集団への投与」を新設し、「 妊婦」、「生殖可能な男女」、「授乳婦」、「小児等」、「高齢者」、「腎機能障害患者」、「肝機能障害患者」等の項目に分けて記載する

(5)「副作用」に記載する事項
記載されている副作用の臨床的意義をわかりやすくするために、発現頻度の高い副作用や投与の継続に影響を及ぼす主な副作用がある場合は、必要に応じて「 副作用」 の前段に概要として記載する

概要(→リンク
別添1:医薬・生活衛生局長通知案 新旧対照表(案)(→リンク
別添2:医薬・生活衛生局安全対策課長通知 新旧対照表(案)(→リンク

 新しい記載要領の発出日は2016年度中、適用日は2019年4月以降(予定)とし、一部については2019年4月以前に適用する場合もあるとしています。

関連の厚生労働科学研究(データベースに全文掲載があるもの)

厚生労働科学研究成果データベース
http://mhlw-grants.niph.go.jp/

医療用医薬品の添付文書のあり方及び記載要領に関する研究
(2008年度 総括報告書)
http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIDD00.do?resrchNum=200838060A
(2009年度 総括報告書)
http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIDD00.do?resrchNum=200940034A
(2008-10年度 総合研究報告書)
http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIDD00.do?resrchNum=201034007B

医療用医薬品の使用上の注意のあり方に関する研究
(2013年度 総括報告書)
http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIDD00.do?resrchNum=201328022A
(2011-13年度 総合研究報告書)
http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIDD00.do?resrchNum=201328022
(ファイル4,5に下記・新様式(案)のイメージがあります(クリックで別ウインドウで拡大)。この新様式案に対するアンケート結果も是非確認し、意見提出の参考として下さい)

妊娠・授乳期における医療用医薬品の使用上の注意の在り方に関する研究
(2012年度 総括報告書)
http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIDD00.do?resrchNum=201235015A
(2013年度 総括報告書)
http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIDD00.do?resrchNum=201328004A
(2011-13年度 総合研究報告書)
http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIDD00.do?resrchNum=201328004B
(2014年度 委託業務成果報告書)
http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIDD00.do?resrchNum=201451002A

6月2日 0:40更新


2016年06月01日 11:23 投稿

コメントが4つあります

  1. アポネット 小嶋

    2017年3月17日に開催された薬事・食品衛生審議会医薬品等対策部会で最終案が示され了承されたそうです。

    平成28年度第3回 薬食審 医薬品等対策部会
    (厚労省2017.03.17開催)
    http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000156310.html

    医療用薬品添付文書の記載要領改正案について
    https://t.co/D2hoVEBo6X

    現行と新要領との項目の比較
    http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000156338.pdf#page=3

    確認しましたが、パブリックコメントの結果は現時点では公表されていないようです

  2. アポネット 小嶋

    正式決定し、6月8日に関連通知が発出されました

    医療用医薬品の添付文書等の記載要領について
    (厚生労働省医薬・生活衛生局長 2017.6.8)
    http://www.pmda.go.jp/files/000218446.pdf

    医療用医薬品の添付文書等の記載要領の留意事項について
    (厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課長2017.6.8)
    http://www.pmda.go.jp/files/000218448.pdf

  3. アポネット 小嶋

    パブリックコメントの結果もアップされています
    最近では多い、982件の意見があったそうです(関心が高かった?)

    【e-Gov】
    「医療用医薬品添付文書の記載要領改正案」に関する意見募集の結果について
    http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495160082&Mode=2

    寄せられた御意見の概要と御意見に対する考え方
    http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000160152

    関連記事もアップされています

  4. アポネット 小嶋

    様式のイメージなど改定の概要について、医薬品・医療機器等安全性情報344号で紹介があります

    医療用医薬品の添付文書記載要領の改定について
    (医薬品・医療機器等安全性情報344号)
    http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/1_14.pdf