薬局での簡易検査で抗生剤の適正使用(NHSイングランド)(Update)

 まだ、正式な発表はありませんが、NHSイングランドは、抗生剤を必要とするかどうかを確認するために簡易的テストを地域薬局で行い、GPを受診するかどうかのスクリーニング?を行う取り組みを行うと各紙が報じています。

 各紙によれば、のどの痛みを訴える人はまず、地域薬局で5分程度で可能な検査をうけ、陽性であれば、GPへの受診を勧めるという事のようです。GPへの受診せずに抗生剤がもらえるそうです。(陰性ならOTCで済ますという事でしょうね)

 このサービスは、すでに Boots の地域薬局35店舗で試行(上記記事によれば、実施360人に対し、陽性は36人だったらしい)されており、保健省では、GP受診による3500万ポンドの医療費の削減と抗生剤の適正使用につなげたいとしています。

その他各紙の報道も記しておきます。

 関係団体からのコメントはまだですが、RPS(英国王立薬剤師会)がツイートを行っています。

 今回の方針は、10月に保健省が発表した地域薬局への報酬減の方針も関連がありそうです。

11月14日22:30更新


2016年11月13日 14:04 投稿

コメントが2つあります

  1. アポネット 小嶋

    プレスリリースと具体的内容が14日アップされています

    NHS England Chief Executive Simon Stevens welcomes eight health innovations joining NHS Accelerator
    (NHS England 2016.11.14)
    https://www.england.nhs.uk/2016/11/nia-innovations/

    Sore Throat Test and Treat
    https://www.england.nhs.uk/ourwork/innovation/nia/case-studies/malcolm-harrison/

    最近の研究ではGPを受診する年間120万人のうち62%に抗生剤が処方されるが、試行事業で調べたら、実際に細菌感染しているのは10%未満。

    陽性反応が出たら、GPに受診することなく、抗生剤を受け取ることができる。

  2. アポネット 小嶋

    英国王立薬剤師会がコメントをアップしています。(メディアのインタビュー動画あり)

    RPS talks to the media about point of care diagnostics
    (Royal Pharmaceutical Society 2016.11.14)
    http://www.rpharms.com/what-s-happening-/news_show.asp?id=4158

    bootsが行った試行事業は既に論文化されており、今回の事業の根拠となったようです。(法律上の壁があるけど、日本でもこういうやり方が必要かも)

    A feasibility service evaluation of screening and treatment of group A streptococcal pharyngitis in community pharmacies
    (J Antimicrob Chemother Published Onlie 20 jul 2016)
    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5079295/