2023年の阪大のいちょう祭のイベントの参加者を対象に行われた、パイロットスタディ。(2月1日にXに投稿したものを記事化したものです)
【BMC Res Notes. 2025 Jan 27】
A brief report of the status of self-medication with over-the-counter drugs: a pilot cross-sectional survey
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11773906/
市販薬の使用経験、市販薬の選択に影響を与える要因、情報収集の手段、添付文書の使用状況、外箱などについてのアンケート行い、解析を行った(180名)。
参加者は若い人(16~19歳が56.1%)と、女性が76.1%と多く占めた。(学祭ということで、高校生とその母親でしょうね)
添付文書を常に確認すると答えたのは33.7%で、全く読んだことがない人が20%以上いた。
また添付文書を常にまたはときどき読む人に、添付文書の理解度と使用経験について尋ねたところ、ときどき読む人のうち57.2%が「添付文書の内容が非常に難しい」と回答した。
一方、添付文書をめったに、またはまったく読まない人にその理由を尋ねたところ、最も多かったのが、「添付文書が長すぎる」(48.6%)、「添付文書が難しすぎる」(18.9%)、「添付文書を読まなくてもOTC薬を使用できる」(13.5%)と回答した。
さらに、保管や取り扱いに関する注意事項にあまり注意を払っていないこと、有効期限を認識していないことが明らかになった。
全体的に価格、効果、成分などを重視してOTC医薬品を適切に使用している一方で、家族や友人からの勧めを受ける割合が高いことが明らかになった。
研究者らは、日本の集団主義的文化(collectivist culture)が、個人が個人の意思決定だけに頼るのではなく、家族や地域社会のメンバーに健康に関するアドバイスを求めることが奨励されることが多いとし、この文化的傾向は、健康関連の決定における個人の自律性が重視される諸外国の個人主義的文化とは著しく異なっていると指摘した。
このような異文化間の違いは、今回の知見を日本以外の国にも広げる際には考慮しなければならないとしている。
2025年04月21日 01:24 投稿