論文・報告あれこれ 2025年1月

この期間にXに投稿していた、他サイトではあまり紹介されていないものを中心に、ちょっと気になった論文や報告、発表などをピックアップしました。気になったものは独立記事に するかもしれません。誤りがあったらご指摘下さい。必ずしも最近アップされたものとは限りません。(特にJ-STAGE に掲載のものは、発行後一定期間 過ぎてから解禁となるものがあり、1年以上前に掲載された論文等を紹介する場合があります)

★更新することが多いので、2013年1月分よりスタイルとURLのタイプを変えました。サイドバーに各月記事へのリンク、右下に最終更新日を記してあります。

紹介日 論文・報告タイトル
(紹介記事・ブログ、関連論文)
概要・コメント
01.27 Factors associated with assertiveness among Japanese community pharmacists: a cross-sectional study
J Pharm Health Care Sci. 2025 Jan 23
医師や他の医療従事者と情報を共有する際にアサーティブな自己表現(自分の意見や感情を率直に伝えつつ、相手も尊重するコミュニケーションスタイル)を行う薬剤師ほど、医師への薬物処方に関する提案が受け入れられる頻度が高い
調査はチェーン薬局のエリマネを通じて行われた模様→プレスリリース
01.23 Delivering national immunisation programmes – a blanket opportunity for the pharmacy profession or a case of horses for courses?
(Future Healthc J. 2024 Dec 12)
PGDに基づいてテクニシャンも処方箋医薬品を販売できるようになった英国での、予防接種プログラムの提供における薬剤師と薬剤師技術者の活用の増加から生じる機会と課題について検討
01.22 Pharmacists’ perceptions of the new pharmaceutical vaccination service in Romania: a comprehensive first two-years evaluation
(Front Pharmacol. 2025 Jan 7)
2022年から薬剤師によるインフルエンザワクチンが開始されたルーマニアでの評価
01.22 Risk of Lower Gastrointestinal Bleeding in Nonsteroidal Anti-inflammatory Drug (NSAID) and Proton Pump Inhibitor Users Compared with NSAID-Only Users: A Common Data Model Analysis
Gut Liver. 2025 Jan 3)
韓国の後ろ向き観察研究
NSAID+PPI使用者では、NSAID単独使用者と比較して下部消化管出血のリスクが高かったが、下部消化管出血のリスクは、NSAID+粘膜保護剤の使用者とNSAIDのみの使用者では同程度だった
01.18 Zehn Jahre Ellaone rezeptfrei in der Apotheke
Deutsche Apotheker Zeitung 2025.01.14)
薬局で処方箋なしでEllaoneが買えるようになって10年
10年前の処方箋義務からの解放は、女性の生殖に関する自己決定における重要なマイルストーンであった
01.09 喫煙者における文字のみおよび画像付きタバコパッケージの警告表示への認識に関する横断分析
(日本公衆衛生雑誌 71(12) p756-765,2024)
乳児や肺を使用した画像付き警告表示は、喫煙の危険性を伝え、喫煙者の禁煙行動や禁煙意思を生じさせる効果、非喫煙者の喫煙開始を防ぐ効果があると喫煙者によって認識されていた
01.08 Effectiveness of the Traditional Japanese Herbal Medicine, Yokuinin (Kampo), in the Treatment of Cervical Precancerous Lesions
Cureus Jan 07,2025
福岡大の報告
ヨクイニンの投与が特にHPV陽性の若い女性において、子宮頸部前癌病変の進行を抑制する可能性がある
01.07 Kampo medicine inducing drug-induced liver injury: A case report and systematic review
Drug Discov Ther. 2024 Dec 29,18(6) p325-335,2024)
薬剤性肝障害の症例の65.9%がオウゴンと関連
投与開始後2ヵ月間は肝機能を注意深くモニターすることが推奨される
01.03 Association Between Loneliness and the Use of Medical Institutions and Pharmacies in Urban Japan
Creus 2025 Jan 1)
日本の都市部における孤独と医療機関および薬局の利用との関係を調査
孤独は、男性、経済的不利、自覚的健康状態の低さ、自己申告による医療機関や薬局の利用頻度の低さと関連していた
01.03 Association Between Hypnotics, Accidents, and Injuries: A Study Based on the Adverse Drug Event Reporting Database in Japan
In Vivo. 2025 Jan-Feb;39(1):433-439)
JADERデータベースを使用して、睡眠薬の使用が事故や怪我と関連しているかどうかを検討
メラトニン受容体作動薬とデュアルオレキシン受容体拮抗薬では関連は大幅に弱まった
01.03 Temporal Trends in Treatment Interruption among the Victims of Heavy Rain Disasters in Japan
Disaster Med Public Health Prep. 2025 Jan 2)
日本における豪雨災害での救急医療チームデータからの知見
多様な投薬ニーズに対応するために、災害直後に薬剤師や移動薬局などのリソースを配備することが重要
01.03 Population Using Tobacco for Pain Relief: A Preliminary Cross-Sectional Study in Japan
Neuropsychopharmacol Rep. 025 Jan 3)
喫煙と疼痛の間には複雑な関係があることから、その実態について調査したもの
痛みのある喫煙者の 6.6% が痛みの緩和にタバコを使用していた
→関連2023厚生労働科学研究

最終更新日:2025年4月22日

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