マクロライド・スタチン併用と横紋筋融解症リスク(豪州)(Update)

 豪州の公的医薬品規制機関のTGAは、5日公表した Medicines Safety Update No.5;2010 で、スタチンとマクロライド系抗生剤との併用はミオパシーと横紋筋融解症のリスクを増すとして、併用を避けることを呼びかけています。

Statins, macrolides and rhabdomyolysis
(Medicines Safety Update No.5;2010)
https://www.tga.gov.au/publication-issue/medicines-safety-update-no5-2010#statins
http://www.tga.health.gov.au/adr/msu/msu1010.htm#statins

医薬品安全性情報 Vol.8 No.23(和訳概要)
http://www.nihs.go.jp/dig/sireport/weekly8/20101111.pdf#page=14

 上記によれば、TGAには2010年7月までに、スタチンとマクロライド系抗生剤を使用した患者25人から横紋筋融解の報告があり、高用量のスタチン、高齢者、甲状腺機能低下、糖尿病、ジルチアゼムやシクロスポリンの併用などでリスクが高まるとしてます。

 該当するスタチンは、 CYP3A4で代謝されるシンバスタチンとアトルバスタチンで、また該当するマクロライドはCYP3A4阻害薬のクラリスロマイシン・エリスロマイシンです。CYP3A4に関与しない他のスタチンやマクロライドは問題ないとしています。

 TGAでは、これらスタチンを使用中の人にマクロライド系抗生剤(クラリスロマイシン、エリスロマイシン)の使用が必要な場合は、一時的にスタチンを休薬するか、他の抗生剤への変更を考慮すべきだとしています。

関連情報:TOPICS
 2010.03.20 シンバスタチンと横紋筋融解症(米FDA)
 2008.01.07 スタチンの相互作用情報(英国)

2017.09.13 更新


2010年10月05日 16:30 投稿

Comments are closed.