MHRA(英国医薬品医療用製品規制庁)は19日、偏頭痛治療薬のスマトリプタン(イミグラン)について、処方せんなしでの入手を可能とするとの発表を行いました。
First Over The Counter (OTC) migraine pill made available
(MHRA Press release 2006.5.19)
これを受け、英国王立薬剤師会は、 「スマトリプタンへのアクセス改善は患者ケアの質を高めるだけでなく、GPへの負担をも軽減するだろう。そして地域薬剤師はその職能(clinical skills)を生かし、偏頭痛時の対処の手助けに大きい役割を果たすだろう」とする声明を発表しています
PHARMACISTS TO HELP EASE THE PAIN OF MIGRAINE(2006.5.19)
http://www.rpsgb.org/pdfs/pr060519.pdf
MHRA関係者は、「これにより手元に処方薬がない場合でも、偏頭痛発作時の素早い対応が可能となるだろう」として、患者の負担が軽減されることを強調しています。早ければこの6月にも、2錠入り7.99ポンド(約 1,680円)で、薬剤師による厳しい手順に従っての販売が始まるようです。
英国王立薬剤師会は、スマトリプタンの販売業務指針(PRACTICE GUIDANCE)を発表、ウェブサイトに掲載しています。販売にあたっては、購入者の病歴や頭痛の状態などについて、詳しいインタビューを行ってから、販売が適切かどうか判断の上、販売しますが、イミグランによる治療が適切であるとみなされた場合には、薬剤師から1年間有効の”treatment card”が発行され、次回以降の購入が容易になるようにするようです。
PRACTICE GUIDANCE: OTC SUMATRIPTAN
http://www.rpsgb.org/pdfs/otcsumatriptanguid.pdf
諸外国では、緊急避妊薬やアシクロビルのクリームなど、緊急性のある医薬品については、OTC化がすすんでいます。日本でも、英国ほどでないにしても、こういった成分については、薬剤師の職能を生かして、積極的にスイッチ化していくべきではないでしょうか?
参考:Pharmacists to sell migraine drug(BBC NEWS 2006.5.19)
http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/4996712.stm
First pharmacy-only triptan launched by GSK
(The Pharmaceutical Journal Vol 276 No 7402 p613)
http://www.pharmj.com/Editorial/20060527/news/p613triptan.html
2006年05月19日 23:00 投稿