本サイトでたびたび取上げている“究極の門前薬局”の誘致も、いよいよ最終段階を迎えました。足利市は15日、ホームページで薬局開設者の公募を開始しています。
保険薬局開設者を公募します(足利市2010年10月15日掲載)
http://www.city.ashikaga.tochigi.jp/page/hokenyakkyoku.html
概要は既に紹介していますが、募集は4区画に分けて行われ、うち2号区画については、地元優先区画となっています。
参加資格要件は、
- 平成20年10月15日以前から現在まで継続して足利市内で保険薬局を営業している法人又は個人
- 平成20年10月15日以前から現在まで継続して足利市外で保険薬局を営業している法人又は個人のうち、平成20年10月15日以前から現在まで継続して足利市内に本社を有している法人又は平成20年10月15日以前から現在まで継続して足利市内に住所を有している個人
となっており、市内で2年以上の保険薬局として営業実績がある法人または個人、あるいは2年以上足利に在住している保険薬局の経営者となっています。(地元優先区画への参加資格要件は、足利市内に本社を有している法人か在住している住民が対象)
一方、使用予定者の選定方法は次のように行うと記されています。
- 使用予定者の選定は、1区画ごとに行い、4号区画(地元優先区画)、3号区画(地元優先区画)、1号区画、2号区画の順に行う。
なお、上記の選定において、地元優先区画の3号区画又は4号区画の使用予定者が選定されない場合は、使用予定者が選定されなかった区画について、2号区画の使用予定者の選定後、事前に再公募への参加を希望した者により、上記の順で再公募を行う。 - 最低価格は、1区画当たり月額50万円とする。応募書に記載された金額が最低価格未満の場合は、失格とする。
- 最低価格以上で応募した者のうち、最高の価格をもって有効な応募を行った者を使用予定者とする。なお、使用予定者となった者は、辞退することはできない。
- 使用予定者となるべき同価の応募をした者が2者以上になった場合は、当該応募者にくじを引かせて使用予定者を選定する。なお、当該応募者のうち、くじを引かない者があるときは、これに代わって、当該公募の事務に関係のない足利市職員がくじを引くものとする。
- 先の公募で使用予定者に選定された者は、その後の公募に参加する資格を失う。
なお、足利市では今回の公募の内容について、18日から29日まで質問書により質問を受け付け、回答も市のホームページに掲載されるそうです。(公募要項3ページ)
最低価格の月額50万円という額については、高すぎて応募するのに二の足を踏むという声もあれば、高い金額を提示してでも選定を獲得するところもあるだろうなどさまざまな噂が耳に入ります。
現状では、立地から言えば一定数の処方せんが確保が見込まれ、高い家賃であっても投資した分の回収や収益を確保することは可能かもしれませんが、長期という視点で見れば、移転後の足利赤十字病院の位置付けや今後の医療連携の進展、リフィル処方せんの導入の可能性なども考慮すると、想定されるだけの処方せんが確保し続けることができないというリスクもあるかもしれません。
また、今でも独立性という観点から、本当に保険薬局として許可が下りるのかという声も耳にします。
公募要項では、「使用者は、社団法人栃木県薬剤師会及び同足利支部(足利薬剤師会)の活動に対して、積極的に協力するものとする。」と記されています。継続的な薬局運営と、地元と協調・協力できる方の出店を望むものです。
11月19日までに公募参加申請書等の提出がまず行われ、12月15日に事実上の入札が行われます。竣工後のイメージ図を見るだけでも複雑な思いですが、今後も注視したいと思います。
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2010年10月15日 13:29 投稿
足利市は11月4日、今回の公募の内容について18日から29日まで質問書により受け付けた質問についての回答を市のホームページに掲載してます。
保険薬局開設者公募要項に関する質問書の回答について
(足利市2010年11月4日掲載)
http://www.city.ashikaga.tochigi.jp/uploaded/attachment/7790.pdf