10月11日から13日まで、スイスの Baselで、第4回たばこと健康に関する欧州会議2007(4th European Conference Tobacco or Health 2007)が開催され、欧州30カ国のたばこ対策の取り組み状況が報告されています。
Progress in Tobacco Control in 30 European Countries, 2005 to 2007
http://www.ensp.org/files/30_european_countries_text_final.pdf
New Ranking 2007
http://www.ensp.org/files/tobacco_control_new_ranking_2007.pdf
このレポートは、各国の取り組み状況を6つの基準「たばこの価格(満点30)」「公衆の場での禁煙(満点22)」「禁煙対策への予算支出(満点15)」「広告規制(満点13)」「たばこ包装の警告文(満点10)」「禁煙治療(満点10)」で数値化(100点満点)する、2006年にTobacco Control 誌で発表されたスケールを用いていて、2005年のデータと比較しているので、この2年間の欧州各国のたばこ対策が反映されたものとなっています。
その結果、トップは93点の英国で、前回2005年の調査の74ポイントから大きく数字を伸ばしています。これは、公衆の場での全面禁煙が大きく寄与したものと思われます。
最下位は、オーストリアの35点で、広告規制・禁煙治療でポイントを伸ばしたものの、前回の26位からの最下位に甘んじました。一方前回最下位のルクセンブルクは、公衆の場での禁煙、広告規制などでポイントを伸ばして最下位を脱出しています。
一方順位を大きく上げたのは、スペイン(31点→55点)、ルーマニア(27点→50点)で、それぞれ公共の場での禁煙・広告規制強化などでポイントを上げています。なお、ルーマニアではたばこへの課税強化の実施開始や写真入りの警告文の導入が決まっており、さらに順位をあげぞうです。
6月5日のTOPICSで、日本でこの評価基準で計算したところ27点にしかならなかったとする記事を紹介しましたが、こうしていて見ると現時点では、日本のたばこ対策は欧州より大きく遅れていると言っても過言ではありません。
関連論文:The Tobacco Control Scale : a new scale to measure country activity
(Tobacco Control 2006;15:247-253)
http://tobaccocontrol.bmj.com/cgi/content/full/15/3/247
関連情報:2007.06.05 欧州から遅れをとる日本のたばこ対策
読売新聞6月1日
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20070601ik09.htm
参考:4th European Conference “Tobacco or Health” 2007 in Basel
http://www.prnewswire.co.uk/cgi/news/release?id=209654
European Network for Smoking Prevention
http://www.ensp.org/newsreports/infopressreleases
10月30日 18:10掲載
2007年10月30日 18:10 投稿