かぜやインフルエンザのシーズンが近づいていますが、EUでは今年から11月18日を“European Antibiotic Awareness Day”と定め、各国ではこの日を中心に抗生剤の適正使用の一斉キャンペーンが行われます。
European Antibiotic Awareness Day
(European Centre for Disease Prevention and Control)
http://antibiotic.ecdc.europa.eu/
European Antibiotic Awareness Day
(英国保健省 2008.10.21)
European Antibiotic Awareness Day:to be launched in November 2008
(European Association of Hospital Pharmacists 2008.10.2)
抗生剤の不適切な使用による耐性菌の問題は、EUレベルでも公衆衛生上の大きな脅威となっており、EU各国ではこの11月18日にあわせて、関係会議などのイベントが行われます。
英国保健省では、今回のキャンペーンにあたって、「処方された抗生剤を濫用しないこと、正しく服用することの重要性について患者と話し合いなさい」「ポスターを掲示したり、リーフレット(PDF)を置きなさい」と医療専門職に対して呼びかけを行っています。
一方特筆すべきことは、教師に対しても、「スクールナースの力を借りて、生徒や親と一緒に抗生剤の適切な使用について話し合う」ことを呼びかけている点があります。
すでに抗生剤の適正使用のキャンペーンを行われている英国では、子ども向けの教育啓発活動も開始されているのです。
The Bug Investigators:A resource for science teachers
(英国保健省 2008.4.28)
さらに調べていくと、EU全体でも小中学生向けの“e-bug”(http://www.e-bug.eu/)という抗生剤と衛生についての教育プログラム検討のプロジェクトが進行中で、この中で、抗生剤を適切に使用することが教えられるようです。
子どもたちにも「抗生剤とどうかかわるか」の教育が検討・実施されているEUの取り組みは驚きです。世界的に見て抗生剤の使用が多い日本では、こういった視点での取り組みが行われることはあるのでしょうか?
関連情報:TOPICS
2008.02.05 抗生剤がなくても、風邪はよくなる(英国キャンペーン)
2008.07.23 気道感染症における抗生剤の適正使用を求める(英国)
11月8日 19:00更新
2008年11月08日 02:09 投稿