論文を紹介しているソースがPJくらいしかなく、アブストラクトしかみれないので、ちょっと自信がないのですが、興味深いので紹介したいと思います。(原文で確認を)
Effects of Evening vs Morning Levothyroxine Intake
A Randomized Double-blind Crossover Trial
(Arch Intern Med. 2010 Dec 13;170(22):1996-2003.)
http://archinte.ama-assn.org/cgi/content/abstract/170/22/1996
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21149757
タイトルの通り、甲状腺ホルモン剤のレボチロキシンナトリウム(チラーヂンS)を朝飲むのと寝る前に飲むのとどちらが効果があるかを調べたもので、方法は、「朝は実薬・寝る前プラセボ」「朝はプラセボ・寝る前実薬」の2群にランダムに分けて、まず3ヶ月服用してもらい、次の3ヶ月は服用方法を逆にして服用したのち、甲状腺ホルモンの数値、クレアチニンと脂質レベル、BMI、心拍数、QOLを比較しています。
Backgroundを見ると、これまでは朝の空腹時に服用するというのがコンセンサス(英国では処方集で推奨。私は知りませんでした)とのことですが、予備的研究で就寝時のレボチロキシンナトリウムの服用で甲状腺刺激ホルモンのレベルを減少させて、遊離チロキシンと総トリヨードサイロニンのレベルを増やすことが知られていたことから、今回のクロスオーバー試験を行ったようです。
結果は、予備的研究と同様に就寝前服用の方が甲状腺ホルモンレベルを大幅に向上させる一方、脂質レベルやQOLは朝服用でも就寝前服用でも差は見られなかったそうです。
研究者らはこの結果を受けて、処方医はレボチロキシンナトリウムは就寝前服用で処方することを検討すべきだとしています。
インタビューフォームも見たのですが、古い薬なので日本でのデータはないみたいですね。
参考:Levothyroxine better given at night
(The Pharmaceutical Journal 2010;285:709)
http://www.pjonline.com/news/levothyroxine_better_given_at_night
2010年12月17日 00:58 投稿