日薬、後発医薬品の使用状況調査(中間報告)を公表

 日薬は、11月19日に開かれた中医協の総会で、今年9・10月に全国2000の保険薬局を対象に実施した後発医薬品の使用状況に関する調査の中間報告を公表しました。

後発医薬品の使用状況調査(中間報告)について 

(日薬)
 http://www.nichiyaku.or.jp/contents/kouhatsu_iyakuhin/n081120.html
(中医協・山本委員提出資料)
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/11/dl/s1119-6d.pdf

 中間報告は、10月20日までに回答があった450薬局分(回収率22.5%。最終的な回収率はどのくらいになるでしょうか?)を集計したもので、後発医薬品への対応状況、医療機関との連携状況、後発医薬品の使用について考え方などについて調査を行っています。

 調査結果によれば、「変更不可」欄に処方医の署名等がある処方せんは、処方せん数量ベースで全体の35.0%、医療機関数ベースでも全体の26.8%(地元の実感としてはもう少し高いのではとの思いあり)にも達していて、後発医薬品への変更不可の処方せんがまだまだ少なくないことが明らかになっています。

 こういった状況もあり、「後発医薬品の使用に関する考え」について尋ねると、「後発医薬品の説明・調剤にはあまり積極的には取り組んでいない」と答えた薬局が34.7%と、「薬効によっては後発医薬品を患者に説明して、調剤するように取り組んでいる」(31.1%)、「特にこだわりはない」(20.9%)、「後発医薬品を積極的に患者に説明して、調剤するように取り組んでいる」(12.4%)などを上回り最も多くの割合を占めています。

 なお中医協では、今年も保険薬局(2000施設)や医療機関、そして今回はこれに加えて患者(薬局調査の対象施設に来局した患者を対象とし、1施設につき4名)に対しての使用状況調査を行います。

第19回中央社会保険医療協議会診療報酬改定結果検証部会(2008年11月5日開催)
   http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/11/s1105-9.html
※資料(検−1)に実施案が、資料(検−2)の40〜62ページに後発医薬品の使用状況調査表(案)が示されています

  今回の調査は、去年以上に質問項目が細かくなっており、回答する施設は結構手間がかかると思いますが、よく見ると、薬局向けのものは内容は日薬が行ったものとほぼ同じです。結果が発表されたら日薬調査のデータと比較することができます。

 一方、今回の中医協では、後発医薬品の使用促進に関する健保組合等の取り組み事例が紹介されています。

後発医薬品の使用促進に関する健保組合等の取り組み事例(対馬委員提出資料)
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/11/dl/s1119-6e.pdf

 現場の薬剤師にはっぱをかけるのも結構ですが、やはり国や保険者なりが、処方せんを発行する医療機関への働きかけ(変更不可の処方せんを減らす)や、国民(組合員)への広報をまずしっかりやるべきだと思います。

 そして、医療費の適正化のために、薬局を通じてジェネリックを推進したいのであれば、薬局が説明すれば、保険者なり国なりがフィーを与える、それで実際に変更したらさらにフィーを与える(1回限りでよいのでもっと高いものを)などのインセンティブが必要だと思います。

 資料を見ての通り、保険者や自治体(呉市、下記)はあの『ジェネリック促進通知書』提供サービスに丸投げして、税金や保険料をつかっているのですから。 

関連情報:TOPICS
  2008.09.16 呉市の後発医薬品情報の通知に全国が注目
  2006.04.07 『ジェネリック医薬品促進通知書』提供サービス

医師・薬剤師が先発品にこだわる医薬品(薬局のオモテとウラ 11月13日)
  http://blog.kumagaip.jp/article/22804474.html

 参考:後発品に「積極的でない」薬局が3分の1超
    (医療介護CBニュース11月19日、一定期間を過ぎるとログインが必要です)
     http://www.cabrain.net/news/article/newsId/19236.html
    第137回中央社会保険医療協議会総会資料(2008年11月19日開催)
     http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/11/s1119-6.html

11月23日 20:40更新 2009年3月25日一部削除


2008年11月19日 23:27 投稿

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