ファイザー社、欧州でのバイアグラのスイッチを断念

 以前、バイアグラが欧米でOTC化されるのではないかとの動きをお伝えましたが、20日、欧州医薬品庁(EMEA:European Medicines Agency)とファイザー社は、ファイザー社が行っていたOTC化の承認申請を取り下げたと発表しています。

Pfizer withdraws its application to change the marketing authorisation for Viagra 50 mg (sildenafil) from prescription-only to non-prescription
(EMEA PRESS RELEASE 2008.11.20)
 http://www.emea.europa.eu/humandocs/PDFs/EPAR/viagra/61912208en.pdf

Pfizer Withdraws Application to Switch Viagra to Non-Prescription Status in Europe
(Pfizer Press Release 2008.11.20)
 http://mediaroom.pfizer.com/news/pfizer/20081120005432/en

 EMEAによれば、ファイザー社は2007年11月8日にOTC化の承認申請を行っていましたが、EMEAの医薬品委員会(CHMP:the Committee for Medicinal Products for Human Use)からのコメントを考慮して今回自主的に申請を取り下げたとしています。しかしながら、具体的にどのようなことに対しての懸念なのか現時点では明らかになっていません。

 この懸念の中身について欧州の各紙は、「EDの原因となっている基礎疾患の発見が遅れる」「EDは心臓血管病のサインの場合がある」「意図的でない誤用や遊び感覚で使用される可能性がある」とした、EMEAのスポークスマンのコメントを伝えています。

Questions and answers on the withdrawal of the application for a change to the marketing authorisation for Viagra
  (EMEA2008.12.18、 2009.1.7公表)
http://www.emea.europa.eu/humandocs/PDFs
/EPAR/viagra/Viagra_Q&A_60957408en.pdf

 粗悪な偽物が多く流通している現状を考えると、いっそのこと薬剤師の管理下で入手を容易にすることも一つの選択肢とも考えていましたが、成分であるシルデナフィルは肺高血圧症治療薬としても承認されており、また近年バイアグラが、ドーピングの対象となっていることを考えると今回の取り下げはやむを得ないのかもしれません。

関連情報:TOPICS
    2007.01.13 ファイザー社、バイアグラの欧米でのOTC化を検討
    2007.02.17 エイズヘルスケア財団が、バイアグラのOTC化に懸念を表明
    2008.06.24 WADA、バイアグラを禁止リストに加えることを検討

参考:Over-the-counter Viagra bid ends(BBC NEWS 2008.11.20)
     http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/7739420.stm

2009年1月14日更新


2008年11月22日 00:29 投稿

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