フランス当局のAfssaps は31日、継続的なモニタリングが必要な77の成分と12の薬効群を公表しています。
2011.10.13の分類の見直しで、下記リンクは切れています。
Surveillance des médicaments(Afssaps)
http://www.afssaps.fr/Activites/Surveillance-des-medicaments/Surveillance-des-medicaments/(offset)/0
- Liste des médicaments et classes de médicaments sous surveillance renforcée (2011.05.01) (pdf:240KB)
- Liste des médicaments sous surveillance renforcée (2011.5.18 Update)(モニタリングが必要な成分)
- Liste des classes de médicaments sous surveillance renforcée (2011.02.16 Update)(モニタリングが必要な12の薬効群)
今回のリストが公表された背景には、糖尿病治療薬(日本では未承認成分)やシブトラミン抗肥満薬の副作用問題が明らかになったためで、副作用や乱用などを予防的に監視を強化する必要があるとして今回の指定が行われたようです。
EUでは、昨年医薬品安全監視法案というのが成立しており、製造販売後の調査の対象(集中監視下)となった医薬品を欧州全体で統一した目印をつけることが提案されていて、今回のリストはこの法案にも関連があるようです。
上記リストは、フランス語ですが、一般名が記されているのでおおよそわかります。
77の成分には、日本でいうところのアクトス、チャンピックス、プロトピック、HPVワクチン、インクレチン関連製剤、ランタス、リリカ、クロザピン、ロヒプノール、ゼスラン、グリペック、マイスリーなどが含まれ、12の薬効群にはドパミン作動パーキンソン病治療薬やSSRI、ビスホスホネートなどが含まれています。(PDF ファイルには、指定の理由も記されています。多くは本サイトで紹介した話題がほとんどです)
もちろんこれらは直ちに危険なくすりというわけではなく、副作用の発現に留意し、副作用と思われる症状がわかったときはすぐに報告して欲しいとのことのようです。
米FDAでも、同じようなリストがあったかと思います。日本で集中監視が必要な薬をリスト化すれば、副作用情報の収集が多くなるのではないでしょうか
関連情報:
EU議会、全加盟国に患者からの有害事象直接報告制度を設置する新法を可決
(薬害オンブズパースン会議 注目情報 2010.12.20)
http://www.yakugai.gr.jp/attention/attention.php?id=312
参考:
La liste des médicaments sous surveillance a été publiée
(20 minutes.fr 2011.1.31)
http://www.20minutes.fr/article/661882/sante-la-liste-medicaments-sous-surveillance-publiee
Stilnox, Ritaline, Alli et les autres: Les principaux médicaments sous surveillance
(20 minutes.fr 2011.1.31)
http://www.20minutes.fr/article/661982/sante-stilnox-ritaline-alli-autres-principaux-medicaments-sous-surveillance
3月2日 リンク再設定 5月21日リンク再設定 10月14日追記
2011年02月01日 17:00 投稿
今回のリスト公表について、フランスの独立系の医学雑誌を発行する団体Prescrireは、コメントを発表しています。
Médicaments sous surveillance : l’analyse de Prescrire
(Prescrire 2011.1.31)
http://www.prescrire.org/Fr/3/31/46791/0/NewsDetails.aspx
フランス語なので自信はありませんが、代替薬や対応法などの詳細な情報が示されておらず、患者や現場に混乱を招くと指摘した他、最新のレビューが反映されていない、リスクがベネフィット上回るものも含まれているとしています。
小嶋先生の御謙遜はさておき、参照の通りと思います。 ただ、参照とされているものは、Afssapsのサイトではなく、メディアのサイトですので、割り引いて読み取る必要がありそうです。
Prescrire誌の記載は、小嶋先生ご案内の通り、かなり批判的な記述となっています。むしろ、一群のものについては、改めて調査などとは資源の浪費であり、とっとと処方禁止にしろという論調と読めました。 ただ、もともとのAfssapsの発表リストは、淡々としたものであり、Prescrireの求めるような代替指示等を意図したものではないので、いわば無いものねだりの記事のように読めてしまいました。
コメントありがとうございます。
Afssaps 掲載リストのURLが変わったので、リンクを張りなおしました。内容は特に変更ないようです。
下記サイトが疾患別に整理しています。(WEB翻訳が使えます)
Diabète, cancer, addiction… Les médicaments sous surveillance par pathologie
(L’EXPRESS fr.2011.2.1)
http://www.lexpress.fr/actualite/sciences/sante/diabete-cancer-addiction-les-medicaments-sous-surveillance-par-pathologie_957731.html
このうちの、糖尿病のページが目を引きました。
Les anti-diabétiques sous surveillance renforcée
(L’EXPRESS fr.2011.2.1)
http://www.lexpress.fr/actualite/sciences/sante/les-anti-diabetiques-sous-surveillance-renforcee_957815.html
Google翻訳に間違いがなければ、監視の理由は下記のとおりです。
・アクトス(心血管リスク、膀胱がん)
・エキセナチド(バイエッタ)(膵炎、胃腸障害)
・ビルダグリプチン(エクア)(肝障害)
・シタグリプチン(ジャヌビア・グラクティブ)(ミオパチー)
・ランタス(がんリスク)
・ビクトーザ(膵炎・甲状腺がん)
薬害オンブズパースン会議の注目情報で関連記事が掲載されています。
フランス医薬品庁が監視継続医薬品77品目のリストを公表、目印のロゴマークも付けることを言明
(薬害オンブズパースン会議・注目情報 2011.05.20)
http://www.yakugai.gr.jp/attention/attention.php?id=325
上記記事によれば、監視継続医薬品は医薬品の容器に特別のロゴマークを付けるとのことだそうです。