共同通信は24日、来年の全国高校総体(近畿2府4県で開催)から、一部の競技でドーピング検査が導入されると伝えています。導入が検討されているのは卓球で、今夏、埼玉県で行われる高校総体後に正式に決定されるようです。
既に国体レベルでは、ドーピング検査が実施されていますが、関係者は「インターハイには将来の日本代表選手も出てくる。反ドーピングの意識を持ってもらうことが必要」として、既に全国大会で積極的にドーピング検査を実施してる、卓球競技からまず導入し、順次広げていくものと思われます。
平成19年度全日本社会人選手権ドーピング検査について
(2007.08.30 日本卓球協会HP)
http://www.jtta.or.jp/news/news.html#2007.11.06
http://www.jtta.or.jp/news/2007/07doping_zennihontest.pdf
海外では、次々と明らかになるトップアスリートによる薬物使用の影響もあり、高校生などにも薬物使用の広がりが指摘されており、日本でもいよいよ本格的な対策に迫られたものと思われます。報道によれば、日本高校野球連盟(日本高野連)でも、将来的には春・夏の全国大会でドーピング検査が導入されるとも伝えられています。
ちなみに米国では1995年より、高校生の運動選手向けの薬物検査プログラム(drug testing programs for student athletes)による検査(マリファナなどの薬物他、たばこやアルコールの使用の有無を調べる)が実施されています。ただ陽性になった場合でも厳しい処分はすぐには出されないこともあり、薬物使用の減少に結びつかないとの指摘もあるようです。このため、総合的なくすり教育やカウンセリングプログラムにお金をかけるべきではないかとの声も聞かれています。
Student Athlete Drug Testing(the sportjournal.org)
http://www.thesportjournal.org/article/student-athlete-drug-testing
Reasons for Student Drug Testing(Drug Free America Foundation, Inc.)
http://www.dfaf.org/studentdrugtesting/
日薬雑誌や本サイトのTOPICSでも紹介していますが、現在日本では「スポーツファーマシスト」制度の導入の検討がすすめられていて、おそらく間もなく正式に制度の概要が発表されると思われます。スポーツ関係者や高校の指導者などからの問合せに答えられるだけではなく、私たちがこの分野に関心を持ち、さらなる取組みを行うことが今後求められるでしょう。
関連情報:TOPICS
2008.07.02 薬剤師のための・ドーピング防止ガイドブック2008年版
2007.12.19 MLBミッチェル・レポート
2007.10.09 スポーツファーマシスト
2007.06.21 低年齢層に広がる運動選手の禁止薬物の使用(フランス研究)
参考:高校総体でドーピング検査 来年、卓球で実施へ
(47News 7月25日 共同通信)
http://www.47news.jp/CN/200807/CN2008072401000650.html
Manatee to drug-test student athletes
(Herald Tribune.com 2008.7.24)
http://www.heraldtribune.com/article/20080724/article/807240381
7月25日 13:10掲載
2008年07月25日 13:10 投稿