米国の正看護師ヘルスケア財団?(NPHF:Nurse Practitioner Healthcare Foundation)というサイト(http://www.nphealthcarefoundation.org/)の生涯学習に関するページに掲載されている、“OTC Advisor”という無料のオンライントレーニングツールが目に留まりました。
OTC Advisor: Advancing Patient Self-Care
(NPHF Continuing Education)
http://www.nphealthcarefoundation.org/ce/otc/
内容は、OTCによる対応法を知ってもらおうと作成されたものですが、よくよく見ると、これはNPHF向けに独自に作られたのではなく、2007年にプロクター&ギャンブル社のサポートを受け、米国医療助手協会?(AAPA:the American Academy of Physician Assistants)、米国薬剤師会(APhA:American Pharmacists Association)との共同で作成されたもので、APhAでも、これを会員向けの生涯学習の履修テキスト(自己学習用)として使用しています。
APhA Education
http://www.pharmacist.com/OTCAdvisor
APhAでは2009年11月15日までに、これを自己学習し、8時間のlive traning seminarを受講、到達確認試験で70%以上正答すれば履修証明を発行するとしています。(NPHFのはフリーアクセスですが、APhAのものはログインが必要です。NPHFには、Module 1: The Pharmacist’s Role in Self-Careのセクションは当然ながらありません。)
一方、NPHFでは、80%以上の正答で履修証明が発行されるようです。オンラインの到達確認試験の内容は見ることができます。
さて、内容ですが次の7つのセクションに分かれています。
- 痛みのセルフケア
- 発熱、咳、風邪、アレルギーのセルフケア
- 胃腸障害に対してのセルフケア
(胸焼け、便秘、下痢、痔など) - 皮膚及び粘膜のトラブルへのセルフケアPart1
(乾燥肌、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、外傷、日焼けなど) - 皮膚及び粘膜のトラブルへのセルフケアPart2
(にきび、膣カンジダ、水虫、いぼ、うおのめ、シラミなど) - よく使用される薬草、健康補助食品
(ブラックコホシュ、コーエンザイムQ10、エキナセア、イブニング・プリムローズオイル、ガーリック、イチョウ、人参、カバカバ、メラトニン、フィトエストロゲン(大豆、レッドクローバー)、プロバイオティクス、センジョンズワート、ノコギリヤシ(Saw Palmetto)) - 一般用診断薬の選択と使用法
(妊娠検査薬、体温計、尿検査)
また、各セクションは
- 症状ごとの対応法(一部アルゴリズムを採用)
- ケーススタディ
- OTC成分の効能・効果と年齢ごとの用量
- 成分ごとの他剤との相互作用
- 妊婦・授乳婦などの使用
などで構成されている他、咳のセクションに小児用OTC風邪薬、咳止め薬の問題が掲げられているなど、最近のトピックスや知見も盛り込まれており、私たちにも役立ちそうです。
日本でも民間の機関が同様の生涯学習の場を設けていますが、米国のように職能団体(APhAは生涯教育機関として、認証されている)が会員向けにきちんとした生涯学習の場を設けることで、職能団体への入会率を高めるかもしれません。日薬にも期待したいですね。
参考:
Self-Care Training Program Co-Sponsored by Nurse Practitioner Healthcare Foundation
(Medical News Today 2009.3.5)
http://www.medicalnewstoday.com/articles/141177.php
2009年03月09日 16:22 投稿