日本薬学会は、2008年3月、2009年3月、2010年3月の3回にわたり、「医療用医薬品の有効成分の一般用医薬品への転用に係る候補成分検討報告書」を提出し、さまざまな成分を将来のスイッチの候補として挙げていますが、その後に医学会等から提出された意見によって、ことごとくスイッチは不適切だとして、スイッチの対象から外されてしまったことについて、本サイトではたびたび紹介してきました。
しかし、薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会において討議されるとされる関連学会の意見についてはこれまで一切明らかにされておらず、本サイトでは各記事において、「OTCへのスイッチがどういう点で不適当なのか、きちんと関係資料を公開すべき」と指摘していたところです。
今年も新たにリストが示されると思いますが、厚労省は11日、過去3回行われた関連学会の意見書を初めて公表しています。
医療用医薬品の有効成分のうち一般用医薬品としても利用可能と考えられる候補成分について(医薬会等からの御意見)
(厚労省 2011年4月11日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000018qzd.html
資料2:医学会等からの御意見(PDF:2280KB)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000018qzd-img/2r98520000018r3k.pdf
やっとの感が否めませんが、厚労省としてはOTC医薬品への積極的な転用を図りたいという姿勢を強めているのでしょう。
情報公開としては、大きな前進ですが、一般用医薬品部会自体も公開で行うべきでしょうね。(まだ議事録が出ていないのもある)
関連ブログ:
スイッチOTCに対する各学会の反応を成分ごとにまとめてみた
(薬局のオモテとウラ 4月12日)
http://blog.kumagaip.jp/article/44263256.html
関連記事:
【厚労省】スイッチOTC候補薬‐関連医学会は慎重姿勢
(薬事日報 HEADLINE NEWS 4月15日)
http://www.yakuji.co.jp/entry22759.html
関連情報:TOPICS
2011.02.25 第一類医薬品2製品の承認を了承(一般用医薬品部会)
2011.02.22 海外におけるスイッチOTCの状況(Update)
2010.11.25 OTCエパデールの承認了承は見送り(Update2)
2010.06.08 厚労省、スイッチ候補19成分を公表
2009.11.05 こんな進め方ではスイッチOTCが増えることはない
2009.08.28 日本は本気でセルフメディケーションを推進する気があるのか?
2009.04.28 厚労省、スイッチ候補18成分を公表
4月12日 23:30 リンク追加 16日リンク追加
2011年04月11日 17:03 投稿