米FDAでは現時点では安全性に問題はないとされている（TOPICS 2010.09.18）、ピオグリタゾン（アクトス）の膀胱がんの発症リスクですが、フランスでは安全性への懸念が広がっているようです。英語のソースも少なく、記事にするのを躊躇していましたが、ここにきて英語の記事も出てきたので少し紹介したいと思います。
実はフランス当局のAfssaps（http://www.afssaps.fr/ 現在トップページにも関連記事へのリンクあり）は19日、アクトスとメトホルミン配合剤についての注意喚起を行い、年齢や喫煙など膀胱がん発症リスクがある患者への処方には十分留意するよう呼びかけています。
Mise en garde sur l’utilisation de la pioglitazone en traitement chronique chez les patients diabétiques (Actos®, Competact®) – Communiqué
（Afssaps 2011.04.19）
WEBニュース等を整理すると、7日にアクトスについての安全性などについての議論が行われ、その結果を踏まえてのことのようです。
Afssapsでは、7日の議論の様子や19日に注意喚起に行った理由についての説明を行った28日の会見の様子を、ウェブサイトに動画で掲載しています。（フランス語なので、内容の紹介は無理ですが、自信のある方はどうぞ。でも、日本ではこういった形での情報開示はまず考えられないですね）
→ACTOS® – COMPETACT®（Afssaps、リンク先は下の方にあります）
28日～29日にかけての各メディアによれば、Afssapsでは15例の関連性の疑いがある事例が把握されているとのことで、この7日の議論でも、膀胱の発症リスクへの懸念があるとして、販売停止を求める意見も出されたようです。（発がん物質だとか、3か月で発症するとかの文言も散見）
なお、Afssapsでは5月末までにレビューの結果を明らかにするとしています。
ピオグリタゾンのベネフイット・リスクのバランスについては、今年3月EMA（欧州医薬品庁）がレビューを開始したと発表しており、今回のフランスAfssapsのレビューの結果が影響する可能性もあります。
Meeting highlights from the Committee for Medicinal Products for Human Use (CHMP)
14-17 March 2011（EMEA Press Release 2011.3.18）
http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/
Press_release/2011/03/WC500103887.pdf
糖尿病そのものががんリスクを増すという意見もありますが、フランス・EMAのレビュー結果が注目されます。
関連情報：TOPICS 2010.09.18 ピオグリタゾンと膀胱がんの発症リスク（米FDA）
参考：
Actos and Competact possibility of suspension
（DRUGS NEWS 2011.04.29）
http://www.drugsnews.org/actos-and-competact-possibility-of-suspension/
Decision in late May on drugs Actos and Competact, according ASSAP
（Pisqua 2011.04.29）
http://www.pisqa.com/04/decision-in-late-may-on-drugs-actos-and-competact-according-assap/
Deux antidiabétiques créent une nouvelle polémique
（Le figaro 2011.04.27）
http://www.lefigaro.fr/sante/2011/04/27/
01004-20110427ARTFIG00581-deux-antidiabetiques-secouent-l-afssaps.php
Après le Mediator, deux autres antidiabétiques suspectés
（Lexpress 2011.04.28）
http://www.lexpress.fr/actualite/sciences/sante/
apres-le-mediator-deux-autres-antidiabetiques-suspectes_987291.html
2011年04月30日 16:31 投稿
