TOPICS 2011.06.14 で、Lancet Oncology 誌でARBが発がんリスクを高める可能性があるとした論文が掲載され、のち米FDAがARBと発がんリスクとの関連性についてレビューを進行していることを紹介しましたが、2日最終的なレビュー結果が発表されています。
Angiotensin Receptor Blockers (ARBs): Drug Safety Communication – Drug Safety Review Completed
(FDA Safety Information 2011.06.02)
http://www.fda.gov/Safety/MedWatch/SafetyInformation/
SafetyAlertsforHumanMedicalProducts/ucm219185.htm
FDA Drug Safety Communication: No increase in risk of cancer with certain blood pressure drugs–Angiotensin Receptor Blockers (ARBs)
(Drug Safety and Availability 2011.06.02)
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/ucm257516.htm
FDAでは31の研究(ランダム化比較試験)156,600人のデータについて解析を行い、その結果、新規発がんの発症率はARB未使用群では1年間に1000人当たり1.84人であったのに対し、ARB使用群では1.82人と数値は逆に小さく、統計学的処理をしてリスクの増加をみたところ相対的危険度も0.99(95% confidence interval 0.92 to 1.06)だったそうです。(つまりリスク増の関連性はない)
また特定のがん(肺がん・乳がん・前立腺がん)でのリスクの増加も見られなかったそうです。
去年、Lancet Oncology 誌に掲載された論文に疑問を投げかける研究者結構いたようで、これで、ARBの発がんリスクへの懸念は解消となるのでしょうか。
関連情報:TOPICS 2010.06.14 ARBと発がんリスク
2011年06月03日 09:45 投稿