TOPICS 2009.3.18 で、「地域連携パス」が今後の医療連携の鍵となると紹介する一方、医療法改正で医療提供施設として地域薬局(調剤薬局)が含まれたのにもかかわらず、保健医療計画のもとに進められている地域連携パス作りに地域薬局の連携が含まれていない(ほとんど考慮されていない)と指摘しましたが、石川県の南加賀地区(小松市、加賀市、能美市、川北町)では、薬局の役割を明記した、糖尿病の連携パスが作成されていることがわかりました。
南加賀糖尿病地域連携クリティカルパス(南加賀かけはしネットワーク)
http://www.pref.ishikawa.lg.jp/minamikaga/toppage/kikaku/criticalpass/kuritelikarupas.html
この連携パスには、専門病院8施設、かかりつけ医(内科・外科・整形外科)68施設、眼科8施設、歯科77施設、調剤薬局35施設(2010年6月現在)が登録されていて、患者向け説明書[PDF:1.1MB]をみると、「専門病院とかかりつけ医(内科、整形外科、眼科、歯科)、薬局とがつながっています」「これを患者さんとかかりつけ医、専門病院、薬局等で共有することで、効率的で質の高い一貫した治療と指導を受けることができます」と薬局のイラスト入りで、薬局が関わっていることが明記されているなど非常に興味深いものとなっています。
また、フローチャート(内科)[PDF:32KB]のパス運用手順の中でも、
- 医薬分業をしているかかりつけ医は、服薬指導のため、診療情報提供書と連携パスをかかり つけ薬局に原則郵送する。また、処方せん欄に「連携パス使用中」と記載する
- かかりつけ医から薬剤に関する医学管理等、在宅医療項目の依頼があったかかりつけ薬局は服薬指導等をする
と明記されていて、歯科[PDF:18KB]や眼科[PDF:32KB]のような薬局向けの「診療情報提供書」のひな形は現時点では示されていないものの、連携パスの中で薬局の役割がはっきりと示されているなど画期的なものとなっています。
おそらく、地元関係者がすすめてきた医療連携の努力が今回の連携パス作りに結びついたものと思いますが、同時に保健所を中心とした行政の薬剤師への期待や理解が大きかったのではないかと思います。
まだ試行段階でしょうから、実態はわかりませんが、もし地元の方がこの記事を読んでいましたら、追加情報を頂ければと思います。こういった連携パスづくりが全国に広がるといいですね。
関連情報:TOPICS 2009.03.18 「地域連携パス」における地域薬局の役割
2011年1月21日更新
2009年07月15日 01:54 投稿