28日、チーム医療の推進に関する検討会が開催

 厚労省は24日,8月28日に「第1回チーム医療の推進に関する検討会」を開催すると発表しています。

第1回チーム医療の推進に関する検討会の開催について(厚労省8月24日)
 http://www.mhlw.go.jp/za/0824/c05/c05.pdf

 この検討会は,日本の実情に即した医師と看護師等との協働・連携のあり方等について検討するために設置されたもので,今後,「医師、看護師等の役割分担」「看護師等の専門性の向上」などが話し合われる予定です。

 おそらくこの検討会では,地方を中心とした医師不足・偏在を背景に,病棟の看護師(特に救急の現場),訪問看護師,それに過疎地などでの保健活動に従事する保健師などに,一定の条件の下に薬剤の処方を認めることを視野に入れた議論が行われるもののと思わます。

 というのは,看護師による薬剤の処方については,既に官邸主導で,構造改革特別区域推進本部 評価・調査委員会の医療・福祉・労働部会(→リンク)が,平成21年度の調査審議事項として,「ナースプラクティショナー(専門性の高い職務が可能な看護師)の必要性」が取り上げられているからです。

構造改革特別区域推進本部 評価・調査委員会 医療・福祉・労働部会(第18回)
    (2009年6月16日開催)
資料:http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kouzou2/hyouka/chousa/iryoubukai18/gijisidai.html
議事概要:http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kouzou2/hyouka/chousa/iryoubukai18/gijigaiyou.html

医療・福祉・労働部会の開催状況
 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kouzou2/hyouka/chousa/iryou_bukai.html 

 ご存じかと思いますが,大分県立看護科学大学の大学院には既にナースプラクティショナー養成課程が設置されています。この過程を卒業した看護師をどう活用するかの検討は必須であり,同大学では規制改革会議に特区の申請を度々行うなどして,具体的な提案も次から次へと行っています。

 第21回の資料では,薬剤の処方までのプロセスも記したプロトコールの案(第21回資料2→リンク)まで示されており,かなり具体的なところまで議論が進行しているという印象です。

 薬剤師は臨床を学んでいないのでといってしまえばそれまでですが,上記プロトコールの案(→リンク)には,発熱・嘔吐・下痢・便秘といった日常よくある症状もあり,トリアージを行うことも考えれば,6年制の教育を受けた薬剤師でも可能ではないかという気もします。

 日薬は山本信夫副会長が委員として参加しますが,病薬関係者や薬学部関係者なども委員として参加すべきではなかったでしょうか? 「チーム医療」というのは名ばかりで,実は看護師だけの活用だけが話し合われる検討会になってしまわないか心配です。

関連情報:TOPICS
  2009.01.07 専門薬剤師 vs 専門看護師
  2008.09.22 看護師による薬剤の処方は有用(日本学術会議提言)


2009年08月24日 18:49 投稿

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