海外でも日本と同様、地域薬局ではさまざまな新たな活動を模索していますが、この研究はフランスの薬学部に通う最終年次の学生にその現場を見て感じたことや、将来の課題についてアンケート調査を行い、その結果を検討したものです。
The future of pharmaceutical care in France:
a survey of final-year pharmacy students’ opinions
(BMC Clin Pharmacol. 2011 May 25;11:6. オープンアクセス)
http://www.biomedcentral.com/1472-6904/11/6
研究では、4つの分野の9つの professional practices について146人の学生に関心などを尋ね、143人から回答が得られています。
- Screening and chronic disease management
・The pharmaceutical consultation
・Therapeutic education
・The pharmacist as a coordinator of care - Medication surveillance
・The electronic pharmaceutical record (e-pr)
・The pharmaceutical opinion - Pharmacy-prescribed medication
・Prescription for minor ailments
・Sales of over-the-counter drugs - Participation in health-care networks
・Pharmacotherapeutic consultation groups
結果によれば、ほとんどの professional practices は75~90%の学生が関心を持ったに好意をもって受け入れられた(’Strongly favorable’+’Favorable’ の合計)ものの、OTC医薬品の販売には関心好意を持ったのは34.3%に留まっています。(一方で ‘Strongly unfavorable’ も14.7%と突出)
フランスでもOTC販売に魅力がないというのは興味深く、セルフメディケーション支援のあり方が海外でも問われていることが示唆されます。(それにしても、どこの国も、日本の「在宅業務」といった活動はあまり目にしないな)
また学生らは、professional practices を実現するためには、時間の不足や適切な報酬といったハードルがあることや、プライバシーが確保できるスペースの確保の必要性、ドラッグストアの脅威などを感じたそうです。
論文ではこれら Professonal practice のフランスにおける状況と他国との比較も行われており、各国のPharmaceutical Care を知る上でも参考となる報告です。
日本でも、現在実務実習が行われていますが、同様のアンケートを学部学生に行ったらどのような結果が出るか興味津々です。(似たような調査はあると思うけど、どこかの大学できちんとやらないかな)
関連情報 TOPICS 2011.07.28 公衆衛生分野における薬剤師活動の認知と期待はこれから
2011年08月07日 01:33 投稿