花王、エコナのトクホ認定を返上

 9月17日の一時販売自粛後も注目が集まっているエコナ関連商品ですが、8日花王は、グリシドール脂肪酸エステルを一般食用油レベルまで低減する技術を確立し、関連データ等の準備を整え、改めて特定保健用食品の新規申請を行うとして、所管の保健所を通じて消費者庁に特定保健用食品の許可の失効届を提出し、受理されました。

エコナ関連製品に関する弊社の対応について(花王株式会社10月8日)
 http://www.kao.com/jp/corp_news/2009/20091008_001.html
 http://www.kao.com/jp/corp/important/20090916_001.html

消費庁も受理を確認しています。

エコナ関連製品に関する花王株式会社からの失効届の提出について
  (平成21年10月8日 消費者庁食品表示課)
 http://www.caa.go.jp/foods/pdf/091008sikkou_todoke.pdf

 この失効届というのは、事業者が特保の表示の許可を受けた製品の製造販売を中止した場合に提出するもので、今後改めて特保の表示の許可の申請が行われ、消費者庁長官から許可を受けない限り、特保の表示を付した製品の製造販売は行うことができないとのことです。

 一方、このエコナ問題については現在消費者庁(http://www.caa.go.jp/)の食品SOS対応プロジェクトなどでトクホとして適格であるかどうかも含めて関係者による検討が始まっています。

 1日には「エコナ関連製品に関する関係省庁等担当課長会議」が開かれた他、6日には花王からのヒアリングが実施、また7日に開催された内閣府の消費者委員会では、「安全かどうか分からないなら、消費者の健康を守るために現段階で取り消すべきだ」として、「特保許可の取り消し、少なくとも一時停止」で意見が一致した伝えられています。

 これを受け、消費者庁は8日、「当該許可が行われて以降、食品安全委員会における食品健康影響評価(リスク評価)の審議、その審議における厚生労働省からの資料提出などを通じ、科学的知見の充実による当該許可に係る食品についての再審査を行うべき状況に至ったものと判断することができる。」として、特定保健用食品表示の取り消しに向けた再審査の手続きに入ることを決めたそうです

「食品 SOS対応プロジェクト−エコナを例にしてー」報告
  (2009年10月8日 消費者庁)
  http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin38.pdf

 ただ、現行法では「新たな科学的知見の充実」を認定取り消しの要件としていることから、現在食品安全委員会での安全性審査が続いている状況では取り消しは無理ではないかとの指摘もあります。 また、花王が失効届を提出したことで、再審査自体が行われるかどうかも注目されます。

 今回も、台風報道で扱いは小さくなってしまうのでしょうか?

福島内閣府特命担当大臣記者会見要旨
 (内閣府 2009年10月8日)
 http://www.cao.go.jp/kaiken/0909fukushima/2009/1008kaiken.html
 http://www.cao.go.jp/kaiken/0909fukushima/2009/1008-2kaiken.html

関連情報:TOPICS
 2009.10.01 消費者庁内にエコナ問題対応プロジェクトが発足
 2009.09.17 花王、エコナ関連商品の一時販売自粛を発表 

緊急集会「エコナの安全性を問う会」報告(主婦連10月2日)
 http://shufuren.net/modules/mdiary/index.php?id=2009100200&cat=2

参考:
エコナ、特保取り消し手続きへ 91年の制度創設から初
  (47NEWS 10月8日 共同通信配信)
 http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009100801000411.html
消費者相、取り消し手続きを判断 エコナ特保で
  (47NEWS 10月7日 共同通信配信)
 http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009100701001064.html
毎日新聞10月7日
 http://mainichi.jp/life/food/news/20091008ddm012040014000c.html
日本経済新聞10月8日

10月8日、22日 リンク追加


2009年10月08日 17:41 投稿

コメントが2つあります

  1. アポネット 小嶋

    花王からの特定保健用食品の許可の失効届受理を受けて、消費者庁における再審査は行われなくなったようですが、食品安全委員会における安全性の評価については継続されるようです。

    高濃度にジアシルグリセロール(DAG)を含む食用油等に関連する情報(第3報)
    (食品安全委員会 平成21年10月8日)
     http://www.fsc.go.jp/sonota/diacylglycerol_dag3_qa_20091008.pdf

    Q:10月8日午後、花王株式会社が特定保健用食品の許可の失効届を提出しましたが、エコナ関連製品に対する食品健康影響評価について、食品安全委員会の今後の対応はどうなりますか。

    1.食品安全委員会において現在審議中であるエコナ関連製品の食品健康影響評価は、特定保健用食品の表示許可の取消に係るものではなく、平成17年9月の厚生労働省からの諮問「高濃度にジアシルグリセロールを含む食品の安全性について」を受けて評価を進めているものです。

    2.食品安全委員会としては引き続き、厚生労働省に依頼している追加資料をできるだけ早く提出してもらい、追加資料が提出され次第、これまでに得られている科学的知見と併せて速やかに行っていくこととしています。

  2. アポネット 小嶋

    厚労省、内閣府食品安全委員会がそれぞれQ&Aを発表しています。

    高濃度にジアシルグリセロール(DAG)を含む食用油等に関するQ&A
    (厚労省 12月7日掲載)
    http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/qa/090930-1.html

    高濃度にジアシルグリセロール(DAG)を含む食用油等に関連する情報(最新報)(Q&A)
    (食品安全委員会 12月3日掲載)
    http://www.fsc.go.jp/sonota/dag/diacylglycerol_dag6_qa_20091203.pdf