ケンコーコム株式会社(http://www.kenko.com/)は26日、日本国内および海外在留邦人向けに健康関連商品を販売するECサイト「Kenko.com Singapore」の運営を行う新会社『Kenko. com Singapore Pte. Ltd.』を設立した発表しました。
ケンコーコム、EC事業において、国際分野へ進出
インターネットを通じ、日本国内外のお客様の健康づくりに貢献することを目指します
(ケンコーコムプレスリリース10月26日 News2u.net)
http://www.news2u.net/releases/58759
子会社における新たな事業の開始に関するお知らせ
(ケンコーコム IR情報 10月26日)
http://www.kenko.com/company/ir/pdf/subsdiary_sg_091026f.pdf
ケンコーコムが海外子会社設立、まずは日本向けに一般医薬品販売
(INTERNET Watch 10月26日)
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20091026_324484.html
「日本国内向けに」とあるように、明らかに法の抜け穴を利用して、第一類、第二類の一般用医薬品を合法的に販売することを考えたようです。
再春館製薬が旧薬事法の“特例販売業”という手段を使って、堂々と新規客へも第二類医薬品の販売を継続している(TOPICS 2009.07.05)ということを認めた以上、厚労省は黙認なんでしょうね。同社の薬剤師もどう考えているのでしょう。
また、ケンコーコムはシンポールから商品が発送されるとしていますが、経費とか考えたら実際どうでしょうね。確認(試買)が必要そうですね。
ケンコーコム シンガポール http://sg.kenko.com/
それにしても、ケンコーコムトップページ(http://www.kenko.com/)の「医薬品をお探しなら、ケンコーコム シンガポールへ。日本の一般用医薬品などを個人輸入することができます。第1類、第2類医薬品はもちろん、漢方薬、風邪薬、妊娠検査薬、排卵日検査薬、育毛剤なども購入できます。」というのはすごいですね。
CNET JAPANは、「個人輸入の扱いになるため、医薬品副作用被害救済制度の対象とならない。これらの詳細な注意は購入時に表示される。」としていますが、商品自体は日本のものなのですから変な話です。売れさえすれば、責任はとらないということなのですね。
処方せん医薬品や未承認の医薬品も扱うことはないのでしょうか、厚労省への挑戦ですね。個人輸入について、ダイエット食品(薬)でのトラブルは相次いでいます。厚労省は、自己責任でというスタンスのように感じられますが、そろそろ国を挙げて啓発などの対策に取り組むべきですね。ケンコーコムを模倣する業者が現れ、日本でも海外でのようなトラブルが起きないか大いに心配です。
第二類が新規購入者に通信販売されているとか、第一類医薬品が店頭で適切に販売されていないという話も耳にしますし、ここまでくると、薬事法改正の意味は何だったと思いますね。本来であれば、日薬が声を挙げることを期待したいところですが・・・・・・
関連ブログ:
[ケンコーコム]シンガポールに子会社設立は大変残念
(薬局のオモテとウラ 2009.10.27)
http://blog.kumagaip.jp/article/33227522.html
ケンコーコムがOTC医薬品販売の実態調査を行う
(薬局のオモテとウラ 2009.9.2)
http://blog.kumagaip.jp/article/31814796.html
健康とECのブログ(後藤玄利氏のブログ)
http://www.kenko.com/blog/genri/genriindex.html
関連情報:TOPICS
2009.07.05 特例販売業のかけこみ取得で伝統薬の新規通販は可能
2009.05.25 ネット販売規制は違憲、ケンコーコムなどが提訴
2009.10.23 医薬品のネット販売規制訴訟、年内に結審へ
2009.01.16 偽造医薬品の危険性を伝えるキャンペーンを開始(英国)
関連記事:
ケンコーコム、シンガポールに子会社–日本向けに一般用医薬品のネット販売を開始
(CNET JAPAN 10月26日)
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20402318,00.htm
CBニュース10月26日(一定期間を過ぎるとログイン必要)
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/24927.html
10月26日 22:40更新 27日 18:40リンク追加
2009年10月26日 18:54 投稿
例えば、指定第二類のナリピタンですが、ケンコーコムの該当ページから、直接シンガポールのサイトに直接飛べるようになっているんですね。いいんでしょうかね?
ナリピタン90錠(ケンコーコム)
http://www.kenko.com/product/item/itm_8845989072.html
シンガポールのサイトのナリピタンのページの構成はほとんど同じで見分けがつきませんね。
これでは、購入する方も、日本のサイトかシンガポールのサイトなのかわかりません。
ナリピタン90錠(ケンコーコム シンガポール)
http://sg.kenko.com/product/item/itm_8845989072.html
それと、自己責任のはずなのに薬剤師が質問に答えるというのもちょっと変ですね。
お薬のご案内(ケンコーコム シンガポール)
http://sg.kenko.com/help/about_sodan.html
配送は日本郵政に委託しているとのこと。おそらく、日本の倉庫から出してもわからないでしょうね。
配送について(ケンコーコムシンガポール)
http://sg.kenko.com/help/about_delivery.html
それと、個人輸入だから返品はできません。責任は負いませんということです。いい商売ですね。
はっきりいって厚労省への挑戦というよりも、「国内での通信販売を認めなければ、うちと同じようにまねをする奴がでてくるぞ」という脅しに近いですね。
削除されてもよいように保存しておきます。
これって薬事法の「広告」規制にひっかかりませんかね?
かろうじてOKなら、広告に関しての規制を強化して、取り締まることができるのでは?
明らかな「誘導」ですもの。おかしいですよ。
インフルエンザでそれどこじゃない時を見計らってやるのはすごいですね。
以前TV電話での販売がきっかけになったとか、会員制の人には医科の薬を何とかとか・・・のように、法を適正に運用できるような改正を(めずらしく)厚労省に期待します。
個人輸入も少し規制すべき時期と思いますけど。
薬事法の「広告」規制とは、????
薬事法第8章 「医薬品等の広告」
66条 「誇大広告等」
67条 「特定疾病用の医薬品の広告制限」
68条 「承認前の医薬品等の広告の禁止」
特定疾病とは、厚生労働大臣が薬事法施行令64条にて指定しているガン、肉腫および白血病をいう。
従って第2類一般用医薬品の広告を行っても、薬事法の広告制限には全く抵触しないと考えますが、何か問題でもありますか?。
我々薬剤師村の住人は、再販制度などの恩恵を懐かしむあまり、安易に行政の規制を求めがちですが、再販制度に代表される「業者を保護育成する時代」は終わってしまい、今や消費者が主役の時代となりました。
ケンコーコムさんアイディアと実行力は、小心者揃いの我々薬剤師村の住人にはできないですねー。
現地系のメディアによれば、シンガポール国内向けの販売は行わないとしています。
ケンコーコム、シンガポールに国際展開の物流拠点を開設
(アジアエックス 10月29日)
http://www.asiax.biz/news/2009/10/29-092105.php
つまり、シンガポール国内で医薬品販売業や薬局という形態をとらず、海外向けにのみ販売するということなのでしょう。おそらく、シンガポールの薬事関連法がビジネスに影響することも少ないんでしょうね。
となると国外向けとはいえ、現地では未承認の医薬品を販売するという商売をケンコーコムはやるということなのですね。日本ではとても考えられない商売ですね。
WEBでは、ケンコーコムへ賞賛の声も少なくないようですが、シンガポールの法整備の甘さをついた部分もあるのではないかと考えてしまいますね。
ケンコーコムの後藤氏が毎日放送のインタビューに答えています。
「薬のネット販売禁止されたものの・・・」
(毎日放送 VOICE 1月18日放送)
http://www.mbs.jp/voice/special/201001/18_26513.shtml
厚労省もネット販売の実態調査くらいは行わないのでしょうか?