日刊薬業の記事で知ったのですが、既存のガイドラインやエビデンスに基づいて糖尿病治療における診療の流れや治療方法がまとめられてるものとして「糖尿病標準診療マニュアル」というものがあるそうです。
このマニュアルは厚生労働科学研究糖尿病戦略等研究事業「糖尿病診療均てん化のための標準的診療マニュアル作成とその有効性の検証―ガイドラインを実用化するためのシステム・体制整備の視点から」班の一環としてつくられているもので、第1版が2010年4月に、新しい診断基準を反映した第2版が7月に公表されているのですが、2011年9月の第4版では、ピオグリタゾン(アクトス)が薬物選択の際の推奨薬から外れて、限定使用することに改訂されたそうです。
国立国際医療研究センター糖尿病標準診療マニュアル(一般診療所・クリニック向け)第4版
(糖尿病情報サービス 2011年9月1日)
http://www.ncgm-dmic.jp/doc/diabetes_treatment_manual.pdf
マニュアルによれば、ピオグリタゾンは第2選択薬には挙げられているものの、大血管予防の無効性やさまざまな有害事象に鑑み、新規処方する場合は、単他に選択薬がなくインスリン抵抗性が高い限定することが望ましいとし、処方する場合には、薬剤添付文書の<患者さんへの説明内容>に基づいて説明し同意をとることとしています。(実際同意を取るってできるのですかね? 既存の患者さんは?)
日刊薬業では、改訂は開業医の処方動向に影響を及ぼす可能性があるとしています。
厚生労働科学研究成果データベース掲載の平成21(2009)年度報告に、標準診療マニュアルの第一版が掲載されています。ピオグリタゾンの位置づけを比較してみて下さい。
下記検索画面で 糖尿病診療均てん化というキーワードを入れ、検索をかけて下さい)
厚生労働科学研究成果データベース検索トップ
http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIST00.do
関連資料:
国立国際医療研究センター糖尿病標準診療マニュアル(応用編)第1版
(糖尿病情報サービス 2011年 04月01日)
http://ncgm-dm.jp/center/diabetes_treatment_manual_application.pdf
関連情報:TOPICS
2011.08.03 ピオグリタゾン製剤(アクトス)の調査結果報告書(PMDA)
2011.07.22 EMA、ピオグリタゾンはベネフィットがリスクを上回る
2011.07.07 ピオグリタゾン製剤は中止を(npojip)
2011.06.23 アクトス問題、国内でも膀胱がんリスクの対応へ(Update)
参考:
国立医療センター アクトスを推奨薬から除外
(日刊薬業フリーサイトWEB 2011.09.14)
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/rinsho/article/1226564188968.html?pageKind=outline
一般診療所・クリニック向け糖尿病標準診療マニュアルを公開 国立国際医療研究センター
(糖尿病リソースガイド 2010.11.17)
http://dm-rg.net/news/2010/11/007401.html
2011年09月14日 12:40 投稿