新型インフルエンザのワクチン接種は第2段階へ

 診療にあたる医療従事者に続き、11月に入るといよいよ妊婦・基礎疾患を有する方への接種が始まります。厚労省は29日、その接種方法の概要についてまとめたスライドを公表しています。

 まず妊婦についてですが、保存料の入っているワクチンか保存料不使用のワクチンいずれかを選択して接種を受けることができます。但し、保存料不使用のワクチンはまだ生産が遅れていて、接種は早くても11月中旬以降になります。(地域によって異なる) また接種回数については、1回になる可能性があることを伝えています。

妊娠されている方へ〜新型インフルエンザワクチンの接種にあたって
 (平成21年10月厚生労働省)
 http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/dl/infu091028-01.pdf

 一方、基礎疾患を有する人については、すでに医療機関向けに優先接種の対象とする基礎疾患の基準の手引き(→リンク)が作成されていますが、今回さらにわかりやすいスライドが掲載されています。

基礎疾患を有する方へ
「新型インフルエンザの優先接種の対象とする基礎疾患の基準」手引き(概要)
(平成21年10月厚生労働省)
 http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/dl/infu091028-02.pdf

 今回、接種が可能な「基礎疾患を有する者」は、9つに分類された基礎疾患を有している入院中または通院中の方で、「1歳〜小学校3年生に相当する年齢の方」と「各基礎疾患の内、“最優先対象基準”に該当する方」です。

 各県で、接種のスケジュールについてのアナウンスがありますが、ここへ来て対応がバラバラになっている感があります。(栃木県は遅れ気味?)

資料:妊娠・基礎疾患等をお持ちの方々へ(厚労省・新型インフルエンザ対策関連情報)
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/inful_ninpu.html

関連情報:TOPICS
  2009.10.02 新型インフルエンザワクチン接種の基本方針が決まる
  2009.10.22 国産新型FLUワクチン、13歳以上の接種は当面2回


2009年10月29日 22:36 投稿

コメントが11つあります

  1. 青森県の英断。18歳以下を優先。
    (小)中学高校って言えば受験の時期だし、日本の将来のためにも、先に接種して欲しいですね。
    インフル騒ぎで学級閉鎖やら何やらで、授業がばらついているんだし。

    まだ該当する高齢者には少し早いですが、近くなってきた人間としては、その方がいいって思います。
    第一、疾患を持った、ある程度の高齢者になると、寒い時期は部屋の暖房の中にいて、外へ出ないので(それこそ病院へ診察に行くかディーサービスに行くかで)、感染の可能性が減りますから。

  2. WHOは1回接種。2歳未満優先ですが、変わりませんよね?日本は。

  3. アポネット 小嶋

    >ぼんたさん、青森県の件、ソースは?

    ちなみに厚労省の新型インフルエンザ対策推進本部は、新型インフルエンザワクチン接種事業担当機関向けに、次の様Q&Aを出しています。

    受験生等への新型インフルエンザワクチン接種について及び新型インフルエンザA(H1N1)ワクチンの第3回出荷等のお知らせについて(日医通知文10月28日)
     http://dl.med.or.jp/dl-med/kansen/swine/21chi3_161.pdf

    上記より抜粋しました。


     2回目の出荷分を大学受験の高校3年生や浪人生の接種に使用したいが、そのようなことは可能か。

    (回答)
     接種対象者・順位については、専門家による議論を踏まえ、今回の新型インフルエンザウイルスの特徴やワクチンの効果を勘案し、重症化リスクの高い者等から順次接種することで、重症者や死亡者を減少させることを目的としたものです。
     このため、今回の接種事業の目的をご理解の上、接種対象者・順位は実施要綱・要領に従っていただきますようお願いします。
     なお、実施要綱・要領の範囲内で、都道府県が独自に各カテゴリーの接種開始時期を前倒しし、複数の接種対象者群を同時に接種することは問題ありませんが、「順位の入れ替え」や「接種対象者以外(高校を卒業した浪人生等)への接種」については、範囲を逸脱し、認められません。
     また、契約の範囲外の接種事業を行った医療機関は契約解除の対象となるためご留意ください。

    とあるのですが。

  4. http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/aomori/news/20091029-OYT8T00210.htm
    青森県の記事ですが。読売新聞ですね。
    朝見たのは、m3comのメールでしたけど。

  5. アポネット 小嶋

    すべての中高生ではなく、基礎疾患有する人を対象とした話なんですね。

    30日の時点で青森県のHPにはこのことは明記されていませんでしたし、読売以外では下記のメディアしか伝えていませんでしたね。

    陸奥新報10月29日
     http://www.mutusinpou.co.jp/news/2009/10/8806.html

    基礎疾患(その他)のカテゴリーも前倒しに同時接種として、その中で中高生を先にとしていうことでしょうが、基礎疾患のある18歳以下の子供は疾患程度を問わずにとなると、順位の入れ替えにはならないのでしょうかね。

    流行状況を見れば適切な対応かもしれませんが。

  6. すみません、少し勘違いしてました。タイトルで思い込んでいたんですね。
    お騒がせいたしました。

  7. 私の勤務地鹿児島県では今日も医療従事者への新型インフルエンザ予防接種が行われました。私は調剤薬局勤務なので優先順位からは外れますがとても疑問に思ったことがありまして、本題からはそれてしまうかもしれませんが投稿させていただきました。それは医療従事者の中にデイサービスの送迎運転手が含まれていた点です。特にこれといった基礎疾患も無い方々でも予防接種が行われました。それなら現に新型感染者が来局している調剤薬局の薬剤師も入れてくれれば(当然のごとくうちにも感染者は来局されています)・・・と思った次第です。加えて私は狭心症も患っていますが接種は出来そうにありません。薬剤師は医療従事者と明記されたと言っても所詮はその程度のレベルか(デイサービスの運転手よりも医療に携わっていないという扱いなの?)と落胆した1日でした。

  8.  新型fluワクチン、当県では、医療従事者用といっても、病床数や外来の有無などによって機械的にふりわけられました。振り分けられた本数をどの職種にどのように接種するかは、医療機関の判断に任せられています。
     
    実際に私どもの施設でも、医師・看護師以外にも外来事務受付、発熱患者に服薬指導する外来担当薬剤師などにも接種しています。

    デイサービス送迎の方は、医療に直接関わっているわけではなくても、その施設にとっては優先順位が高かったのではないでしょうか?

    医師・看護師の中でも優先順位(いやな言葉ですね)の高い人たちから接種しており、実際受けられない医師・看護師もたくさんいます。
     
    ここで論じて適当かどうかは心もとないのですが、実際に看護師一人発熱で休むとどの医療機関でもその交替要員など簡単には手配できない、手配できてもその後の勤務調整でまたたくさんの人に負担がかかるのが、今の病院の現実です。

     

  9. アポネット 小嶋

    >やまさん

    割り切れないでしょうが仕方ないですよ。ワクチンそのものが供給できない状態なのですから。

    ネットのニュースなどをみると、ままさんが指摘のように、病院の規模などで機械的に割り当てを行ったところもあったようです、大きな病院でも、看護師の分も確保できていないところもあるようですよ。

    ネットでの医師の書き込みをみると、調剤薬局の薬剤師にも接種すべきとの声もあります。根本の問題は、医師と看護師さえいれば、医療は成り立つと考えている現場を知らない厚労省の医系技官だと思います。

    別の記事でコメントをしましたが、海外では優先接種者の health-care worker といえば、医師と看護師だけではありません。病院での業務に関わる多くのスタッフはもちろんのこと、医学生やボランティアも数としてカウントされているようです。

    こんなところにも、普段、病院や調剤薬局の薬剤師がどのような仕事をしているかのアピールが不足しているのかもしれませんね。

    米国では、何時間も並んでワクチンが受けられないという話が随分あるようです。日本では、優先順位を細かく決めてこういった混乱は避けられていますが、どうしてこう各都道府県で接種のスケジュールが異なるのか不思議です。そのことへの不満や不信が出てこないのか心配です。

    栃木県では混乱を避けるためようやく今日スケジュールが公表するらしいという話です。

    ですから、現時点ではもし患者さんから新型インフルエンザワクチンの質問されても答えられません。

  10. トリアージを行なうのは その施設ごとに 1人と決められています。人の判断には違いが出るからです。地域性を考慮して 県毎に割り振りを決められたようですけど、県の担当者は 大変だったでしょうね。
    医療機関でも 中心的な考え方の方向で、決められたみたいです。感染予防のプロがいるところと、そうではないところの違いが 出てきていて 来年以降の結果論談義が待たれます。
    アメリカの病院は そもそもジェネラルホスピタル以外は 電話予約で、患者の集まる待合室が無いから、ワクチン接種は 早い段階で低所得地域の医療者全員が優先されると思います。つまり、医療関係者全員とは違うはずです。
    ワクチンは 感染拡大を遅らせるためのもので 個人の感染を予防するものではないはずなので、どうしても ワクチン接種狂想曲に違和感を感じています。
    もともと ワクチン接種の問題は 必ず出てくるワクチンによる「発症患者」とアナフィラキシーです。冷静な対応が求められると思います。
    小児1次救急の医師たちは 今更 ワクチンは不要だろうという判断をされている方が多いです。すでに免疫は出来ているはずというのが その根拠です。
    例年より少し早めとはいえ インフルエンザ死亡者数の推移は 変わらないみたいですけど、詳しく調べて報道するマスコミは無いのでしょうか。

  11. アポネット 小嶋

    >松本さん

    医療従事者の定義などの補足説明ありがとうございます。