米国マイアミで開催された、the American College of Allergy, Asthma and Immunology (ACAAI) 年会での発表ですが、今までの常識を覆す可能性があるとして、複数のメディアで取り上げられています。
各紙によれば、この研究は1年間食塩水での鼻洗浄を行っている患者68人について、鼻洗浄を1年間止めてもらった群と、鼻洗浄を続けていた群(24人)に分けて、急性副鼻腔炎の発症頻度を比較したもので、鼻洗浄を止めると急性副鼻腔炎の発症が62%減少し、発症数も鼻洗浄を続けた群に比べて半分になったそうです。
研究者らは、鼻粘液成分に含まれる、免疫グロブリンA、免疫グロブリンG、ラクトフェリン、リゾチームなどが流されてしまい、免疫機能(細菌に対する防御機構)を弱めてしまうのではないかとしています。
そういえば、目を洗眼液などで洗い流すのもよくないという話を聞いたことがあります。それと、同じ理由なのかもしれません。
研究者らは、急性感染時においては食塩水による鼻洗浄に有用性があるとしながらも、習慣的に行うことについては今後検討されるべきだろうとしてます。
この研究発表について疑問を投げかける研究者もいるので、論文として出されたときに、再検討が行われることでしょう。
参考:
ACAAI: Frequent Nose Irrigation May Lead to More Sinus Infections
(Medpage TODAY 2009.11.9)
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ACAAI/16870
Long-Term Neti Pot Use May Backfire
(WebMD 200911.9)
http://www.webmd.com/allergies/news/20091109/long-term-neti-pot-use-may-backfire
Sinus Rinses May Do More Harm Than Good
(Health Day 2009.11.9)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=632916
2009年11月11日 01:33 投稿