2日の中医協総会で、保険調剤におけるポイント付与の問題が取り上げられました。厚労省は、下記のようにクレジットカード機能を有するもの(ここが微妙)を除き、療担規則を改正した上で、来年4月1日から原則禁止とする案を提示し、了承されたそうです。
厚労省では、
- 保険調剤においては、調剤料や薬価が中医協における議論を経て公定されており、これについて、ポイントのような付加価値を薬局が独自に付与することは、医療保険制度上、ふさわしくないのではないか。
- 患者が保険薬局を選択するに当たっては、保険薬局等が懇切丁寧に保険調剤等を担当し、保険薬剤師等が調剤、薬学的管理及び服薬指導の質を高めることが本旨であり、適切な健康保険事業の運営の観点から、ポイントの提供等によるべきではないのではないか。
- こうした考え方は保険医療機関も同様ではないか。
とした考えを示した上で、次のような対応案を提示しています。
- 一部負担金等の受領に応じて、専らポイントの付与及びその還元を目的とするポイントカードについては、ポイントの付与を認めないことを原則としてはどうか。
- 一方で、現金と同様の支払い機能を持つ、クレジットカードや、一定の汎用性のある電子マネーによる支払に伴い生じるポイントの付与は、これらのカードが患者の支払の利便性向上が目的であることに鑑み、やむを得ないものとして認めることとしてはどうか。
- これらについては、「保険医療機関及び保険医療養担当規則」及び「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」を改正することとし、各薬局等における準備期間も必要であることから、施行は平成24年4月1日としてはどうか。
薬事日報によれば、「そんな余裕があるなら薬価下げろと言いたいが、薬局全体ではなくて、一部が客寄せをやってるのが実態というのも承知している。公定価格である以上、値引き行為は認めるわけにはいかない」との冷ややかな意見も。また、調剤ポイント機能が付いたクレジットカードの場合は、クレジット会社のポイントだけが認められることになるそうです。
さらに、読売新聞によれば、ドラッグストア発行のクレジットカード、限られた小売りチェーン店で使用される電子マネーへのポイント付与は認めないとのことです。
一方、日本経済新聞などは、ドラッグストアが反発するのではないかとの記事を掲載しています。
第203回中央社会保険医療協議会総会(2011年11月2日開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001trya.html
資料(総-3)調剤薬局等における一部負担金の受領に応じたポイントの付与等について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001trya-att/2r9852000001ts30.pdf
関連情報:TOPICS
2011.02.17 第9回ライフイノベーションWG議事概要
2010.11.30 藤井基之議員が調剤ポイント付与について見解を質す
2010.11.06 調剤は物品販売か? ポイント付与容認に思う
参考:
【ポイントサービス】原則禁止へ‐来年4月に療担規則改正
(薬事日報 HEADLINE NEWS 11月2日)
http://www.yakuji.co.jp/entry24723.html
朝日新聞11月2日(時事通信配信)
http://www.asahi.com/politics/jiji/JJT201111020059.html
読売新聞11月2日
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111102-OYT1T01017.htm
NHK11月2日
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111102/t10013690811000.html
11月2日 9:26速報 14:02更新 17:40更新 20:45更新
2011年11月02日 14:02 投稿