保健師・看護師が服薬訪問指導?(呉市)

 自治体として全国に先駆けて「後発医薬品情報の通知」を行っている呉市(TOPICS 2008.9.16TOPICS 2008.02.16)ですが、今度は患者宅に直接訪問して、適切な受診行動や適切なくすりの使用に関する指導を始めたと中国新聞が報じています。

レセプト活用し訪問指導 呉市、ジェネリック通知サービスで/レセプト活用し服薬訪問指導
  (中国新聞 1月5日)
 http://www.chugoku-np.co.jp/Health/An201001050199.html
 http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201001050079.html

 記事によれば、指導の対象となるのは、「月15回以上受診している」「同じ疾患で月に3医療機関以上で受診している」「複数の医療機関から処方された併用禁止の薬を飲んでいる可能性がある」などに該当する市民(おそらく国保加入者と後期高齢者)で、誰を訪問するかは、実際に指導する保健師や看護師がレセプト情報を基にピックアップするそうです。

 そして、毎月1カ月で20人程度の自宅を訪問し、直接本人と症状や医療機関へのかかり方などを話し合うとのことですが、医療費削減策とはいえ、くすりの適正使用について、薬剤師ではなく、保健師や看護師が行う(かもしれない)というこの取り組みには、薬剤師の立場としては複雑な思いがあります。 

関連情報:TOPICS
  2009.01.23 厚労省、市町村国保に後発医薬品情報の通知の取り組みを求める
  2008.09.16 呉市の後発医薬品情報の通知に全国が注目

「ジェネリック医薬品使用促進通知サービス」による医療費削減効果について(呉市ウェブサイト)
 http://www.city.kure.hiroshima.jp/kureinfo/shisei090427_0500.html


2010年01月05日 14:50 投稿

コメントが1つあります

  1. アポネット 小嶋

    薬事日報に関連記事が掲載されています。

    【呉市】市を挙げて医療費削減‐健康管理増進システム構築
     (薬事日報 HEADLINE NEWS 3月17日)
     http://www.yakuji.co.jp/entry18549.html

    記事によれば、同市では国民健康保険の被保険者レセプト電子データを解析したところ、併用禁忌や併用を回避すべき薬剤の重複投与が、処方せんの0.9%で見られたとそうです。

    松江市内で行われた講演で中本克州副市長は、これら該当する被保険者に対し、市の保健師が訪問指導を行っている他、来年度以降は、医師会や薬剤師会にもデータを提供して、被保険者の健康被害防止に取り組むとの考えを示しています。