前記事の追記で触れましたが、各紙によれば健保組合や自治体などで広く行われるようになってきた「ジェネリック医薬品軽減額通知(後発医薬品利用差額通知)」を薬局で行う方向になったようです。
ジェネリック医薬品軽減額通知はこれまでも、本サイトでも何度も紹介し、薬局の現場でも実際に目にしたことがある方もいるかと思いますが、9日開催の中医協でも後発医薬品の使用促進策の一つとして提示され、導入の方向で一致したようです。
第204回中央社会保険医療協議会総会(2011年11月9日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001tylo.html
資料(総-3)後発医薬品の使用促進のための環境整備について(p23-27)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001tylo-att/2r9852000001tyq3.pdf
本サイトでこれまで指摘したように、今まで外部委託などで何千万という予算をかけていたのを薬局でやってもらえるわけですから、支払い側は導入には大歓迎でしょう。
ただ実際に薬局でやるとなると、この利用軽減額通知をどのように、どのくらいの頻度で行うかが課題となります。
厚労省では薬情に後発薬の有無や、価格などを一目でわかるようにし、患者が後発薬を選びやすくすることを想定しているようですが、果たして混乱なく導入できるのでしょうか?
- これまでの通知方法(資料p24)だと、おそらく最低薬価のものを基準の差額額が記載となる
- 該当する後発品がない場合を除き、医薬品名も記載するとなると、記載された医薬品の在庫が必要になりかねない。また、全部記載しきれるわけではない
- 自分の施設に後発品の在庫がある場合には、医薬品名の記載はそれのみでもよいとするか
- 薬情に差額情報を記載すると、薬を説明して渡す時や帰ってから「やっぱり後発品がいいわ」ということにならないのか
- 後発品変更を希望しない人へも毎回差額情報を記載するのか
- もともと後発医薬品が処方されている場合はどうするのか
(さらに安いものがあると記載するの?) - 自治体や健保組合が行う通知は年に1回程度だが、薬局では調剤(薬情交付)の度に記載となるのか
- 差額情報を薬情に追加した場合、別の加算が算定されるのか
(おそらくないと思うけど。つけるとかえって、金額が前回と違うとのクレームが出かねない) - 処方せんを発行していない医療機関の取り扱いはどうするか
(こちらは抵抗がありそう)
日薬には混乱がないように、現場から声を聴き、よい方法を提案して欲しいですね。
関連情報:TOPICS
2011.06.22 ジェネリック医薬品の先進事例に関する調査報告書
2011.02.16 医療費適正化の取り組みの成果(呉市)
2009.01.23 厚労省、市町村国保に後発医薬品情報の通知の取り組みを求める
2008.09.16 呉市の後発医薬品情報の通知に全国が注目
参考:日本経済新聞11月10日
2011年11月10日 12:30 投稿