OTC医薬品として日本でも広く配合されている、アスピリン、イブプロフェンなどのNSAIDs、アセトアミノフェンといった鎮痛剤を常用すると、難聴(Hearing Loss)のリスクが高まるとした論文が、The American Journal of Medicine 誌に掲載されています。
Analgesic Use and the Risk of Hearing Loss in Men
(The American Journal of Medicine 2010;123(3):231-237)
http://www.amjmed.com/article/PIIS0002934309007955/abstract
http://www.amjmed.com/article/PIIS0002934309007955/fulltext
(いまのところオープンアクセスです)
この研究は、40〜74歳の米国の歯科医・薬剤師などの医療専門職の男性26,917人を1986年から20年にわたり2年毎に追跡調査(食生活・既往歴・使用している薬剤などをアンケート調査)したもので、週2回以上これら鎮痛剤を常用する人は常用しない人と比べ、難聴になるリスクがアスピリンで1.12倍、NSAIDsで1.21倍、アセトアミノフェンで1.22倍高まったそうです。
また、50歳未満で同様に比較したところ、アスピリンで1.33倍、NSAIDsで1.61倍、アセトアミノフェンで1.99倍とリスクはさらに高まったそうです。
以前から、サリチル酸製剤の聴力への影響は指摘されていましたが、今回の研究ではアセトアミノフェンの方がより聴力への影響が高い(アセトアミノフェンが内在性蝸牛グルタチオンを減少?)ことが疑われる結果となっています。
若いときから、OTC医薬品の痛み止めを常用する男性は将来、難聴になるリスクが高まるかもしれないということのようです。
参考:
Hearing Loss In Men Increased By Regular Analgesic Use
(Medical New TODAY 2010.3.2)
http://www.medicalnewstoday.com/articles/180878.php
Analgesic use associated with deafness
(PJ Online 2010.3.2 一定期間を過ぎるとログイン必要)
http://www.pjonline.com/news/analgesic_use_associated_with_deafness
2010年03月03日 22:01 投稿