16日、日本アンチ・ドーピング機構(http://www.playtruejapan.org/)は、競技会検査で禁止物質が検出されたとして、高校生の陸上選手に2カ月の資格停止と10月の日本ジュニア・ユース選手権大会記録などが失効したことを明らかにしています。
日本ドーピング防止規律パネル決定(2011.12.16)
http://www.playtruejapan.org/downloads/disciplinary_panel/dopingcontravention111216.pdf
禁止物質として検出されたのは、β2作用薬のテルブタリンで、選手が喘息の治療のために処方されていたブリカニール錠が原因だったそうです。
通常なら、もっと厳しい処分が言いわたされるところですが、本人が未成年であること、選手が属する学校関係者により、ドーピング防止に関する指導が必ずしも十分になされていなかった点などが考慮され、今回の決定となったようです。
関係者らはTUEの申請も考慮していたそうですが、内服のβ作用薬による治療であることから認められる可能性が低いとの認識があったそうで、どうやら対応をあいまいにしていたようです。早い時期でのステロイド吸入薬への切り替えが検討できなかったのかが悔やまれます。
このように、ドーピング検査は現在高校生などさまざまな競技会でも実施されています。もし身の回りで、ユース大会やインターハイ、国体で活躍するアスリートがいる場合には、禁止薬を飲んでいないかどうかの確認やアドバイスが私たちにも求められます。
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2011年12月17日 14:36 投稿