抗がん剤による副作用被害救済の難しさ

 医薬品副作用救済制度では、がん等特殊な疾病への使用が目的とされている医薬品の副作用による健康被害は救済の対象外とされています。

医薬品副作用被害救済制度(PMDA)
 http://www.pmda.go.jp/kenkouhigai/help.html

医薬品副作用被害救済制度に関するQ&A
 http://www.pmda.go.jp/kenkouhigai/help/qanda.html

 しかし、イレッサ問題などを発端に抗がん剤等による健康被害についても何らかの救済ができる仕組みができないかとして、課題を整理し、今後の施策のあり方を検討するために今年6月から行われたのがこの検討会です。

抗がん剤等による健康被害の救済に関する検討会
 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000ax9a.html#shingi74

検討会では、

  1. がん患者及び抗がん剤使用に関する現状
  2. 抗がん剤等による健康被害の救済の必要性
  3. 抗がん剤等による健康被害の救済を行う場合のありかた

などの検討が行われましたが、「制度適用の対象をどうするか」「因果関係の判定基準設定の難しさ」「適正使用の要件や判断基準の難しさ」など、どのように制度設計を行うかがネックとなり、「抗がん剤の健康被害の救済は課題が多く、現行制度に組み込んですぐに実施できる段階ではない」とする下記のような中間とりまとめとなりました。

抗がん剤等による健康被害の救済に関する検討会 中間とりまとめ
(2011年12月27日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001zdnd.html

 検討会で出された委員からの意見を見ると、抗がん剤による副作用被害救済の難しさを感じます。

検討会での構成員意見(要約)
(第7回抗がん剤等による健康被害の救済に関する検討会・資料2)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001zdyt-att/2r9852000001ze48.pdf

関連記事:
薬事日報HEADLINE NEWS 12月27日
 http://www.yakuji.co.jp/entry25125.html
産経新聞12月27日
 http://sankei.jp.msn.com/life/news/111227/bdy11122715590000-n1.htm
読売新聞12月27日
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111227-OYT1T00453.htm


2011年12月29日 12:01 投稿

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