薬学雑誌の1月号に、誌上シンポジウム「新しい薬学教育と大学連携」が掲載されています。(今回はとりあえずJ-Stageの方にリンクしてあります)
この企画は、本来去年静岡で3月31日に開催されるはずであった、日本薬学会第131年会の一般シンポジウム「新しい薬学教育と大学連携」(→プログラムファイルp26)の演者の方が発表予定内容としてまとめたようです。
新しい薬学教育と大学連携 名市大院薬 水上 元 |
(誌上)シンポジウムを企画するにあたって |
医薬共同による創薬・育薬を担う医療人の育成を通じた私立・国立大学間の連携 神戸薬大 岩川 精吾 (→文科省GPポータル) (→神戸大学との連携協定/「大学教育充実のための戦略的大学連携支援プログラム」採択・神戸薬大) |
神戸薬科大と神戸大との連携の取り組みを紹介。文科省の「大学教育充実のための戦略的大学連携支援プログラム(戦略GP)」にも選定された。「薬剤師レジデント教育」や「授業科目共同開発」、チーム医療を意識した研修プログラムの作成などについて紹介。 |
長崎薬学・看護学連合コンソーシアムによる地域における先導的医療人教育の展開 長崎大院医歯薬 手嶋 無限 (→ウェブサイト) |
長崎大、長崎県立大、長崎国際大の3大学と長崎県、長崎県薬、長崎県病薬、長崎県看護協会、長崎県医師会と連携し、薬看連携を基盤とする在宅チーム医療教育を大学と地域が一体となり展開していく取組を紹介。大学ではそれぞれのカリキュラムや教育者資源の利点を生かした在宅チーム医療に関する合同授業を行った他、現役の薬剤師や看護職を対象とした在宅療養支援に関する生涯学習プログラムが開催された。薬剤師が他職種連携による在宅療養支援の中で薬物治療を主体的に担っていくためには共同薬物治療管理(CDTM)を実践できることが重要だとしている。文科省の戦略GPにも選定されている。 |
「薬局3.0」と薬学教育6年制におけるバイタルサインの意義 ファルメディコ/在宅療養支援薬局研究会 狭間 研至 |
近年、薬剤師とバイタルサインについての議論が高まっているが、薬剤師が取り組む場合の法的な問題、意義、得られた情報をどのように解釈したらよいかを医師の立場で解説しています。また、、CDTMを含めた地域薬剤師や薬局の新しい役割・あり方としての「薬局の3.0」の展望についても期待を寄せています。 |
6年制薬学教育を主軸とする薬系・医系・看護系大学による教育連携 名市大院薬 小野 秀樹 (→文科省GPポータル) |
東海地区の薬系7大学と医学部と看護学部をも持つ大学あわせて11大学と、各県の薬剤師会、病院薬剤師会、自治体とも連携を組み、地域の薬・医・看護系の人的、物的リソースを十分に活用した実践的な臨床薬剤師教育プログラムを開発し、実践例について紹介。文科省の「戦略的大学連携支援事業」にも選定されている。 |
臨床薬学演習のコンテンツ作成における大学連携のメリット 静岡県大薬 伊藤 邦彦 |
静岡県立大で紺われている問題解決型学習(PBL)形式による臨床薬学演習についての紹介。文科省の「戦略的大学連携支援事業」にも選定されている。 |
一部(?)とはいえ、6年制の薬剤師がこのような教育を受けていることを知るとうらやましいばかりです。地元に薬系大学があるとその周辺に位置する地域の現場の薬剤もは大きな刺激を受けることでしょうね。(そういえば、地元でも以前、薬系大学を誘致する話があったっけ)
大学では確実にチーム医療実践のための教育がすすめられていることを実感させれます。地元に薬系大学がなくても、この事例を参考に他職種間の相互・合同研修を実施すると意味があるかもしれません。
また、バイタルサインやCDTMへの取組もいよいよ現場でも要求される時代が近づいていることを実感させられます。
関連情報:TOPICS 2011.10.24 CDTMと薬剤師
1月9日 10:30リンク追加
2012年01月08日 21:51 投稿